先日スペインの霰石をミネラルショーで購入したばかりですが、日本にも霰石の産出する場所が数多くあります。
中でも石川県鳳珠郡能登町の恋路海岸の霰石は「鉱物採集フィールド・ガイド(草下英明/草思社)」でも紹介され、今も多くの方が霰石を拾いに海岸を訪れている有名産地です。ただし、霰石(が入った玄武岩)は、海岸の潮が引いた時間帯に現れる岩場に落ちており、潮が満ちていると上手く探せないとの事。
能登半島の先端、しかも干潮時を狙うとなると、遠方から行く自分にはかなりのハードルの高さ。しかし、冬の日本海はそれ以上にハードルが高くなるため、夏に行くしかないだろうと考え、意を決して恋路海岸に行く事にしました。
この日の干潮は午前10時。10時到着を目指して、まだ暗い中出発したのですが、途中で道の駅に寄ったりと道草をして行ったため、着いたのは11時過ぎとなってしまいました。
さて、産地の海岸を覗くと…
わわっ!!…殆ど岩場がありません。
露出しているのはほんの数カ所で、既に多くの場所が波の下となっていました。
(残っていたのは一畳程の岩場が2ヶ所程…)
ちょっと来るのが遅かったのかも知れませんが、取り敢えず岩場で落ちている玄武岩を見ていきます。
因みにこの場所、めちゃくちゃフナムシが居ます。フナムシはこちらの一挙一動にいちいち驚いて、四方八方にサササッと逃げていきます。そんなフナムシの様子を「人間を怖がっちゃって何だか可愛いな」と思える方は問題ありませんが、フナムシの見た目や動きが苦手な方だと、この産地は辛いかも知れません。
さて、霰石の入った玄武岩ですが、意外にも結構落ちています。多くは黄色い球状ですが、薄紫色のレアなタイプも見付ける事が出来ました。
(山形県のゆるキャラ「ペロリン(下記リンク参照)」に似ている玄武岩。黄色は霰石、青緑色の部分はセラドン石。)
(薄紫色の霰石、断面がそこまで風化していないので誰かが割った石の破片かも知れない)
(直径1cm以上ある大きな球状の霰石が3つ。まるで木の穴の中に隠れているリスの家族のよう。)
なかなか良い感じの霰石が拾えたので、一旦休憩しようと車に戻ると、丁度そのタイミングで一気に雨が降り出してきました。雨雲レーダーを見ても、天候が直ぐに回復しそうになかったため、名残惜しくはありましたが、そのまま石拾いを終了して帰る事にしました。
因みに恋路海岸では、球状の葡萄石も玄武岩中から産出されるそうです。実は帰宅後に詳しく調べるまでは、上の写真にある黄色い球状の石は葡萄石だと思い込んでいましたが、図鑑で確認したところ、同産地の葡萄石は霰石よりも色味がやや薄緑色のようです。また、何より硬度が異なりますので、もし迷った際は、カッターで傷が付くかどうかで確認する方法もあります(傷が付いたら霰石)。
桃鉄ではカード売場やロボット研究所になっているイメージのある能登半島ですが、また機会があればゆっくり訪れてみたいと感じたのでした。