折角高知県まで来ましたので、2日目は少し足を伸ばして愛媛県の市之川鉱山を見学しに行く事にします。
市之川鉱山と言えば輝安鉱。輝安鉱は市之川鉱山のこと。そんなサントリー烏龍茶のようなキャッチコピーが似合うくらいに、市之川鉱山の輝安鉱は大変立派で、大英博物館やスミソニアン博物館にも展示されるなど、世界的にも有名な輝安鉱の産地となっています。
既に市之川鉱山は閉山して久しいのですが、鉱山跡近くに小学校を改装した公民館があり、その中に鉱山資料館があるという事なので、今回向かってみたのでした。
しかし、ナビで公民館を設定した筈なのに、どんどん住宅地からは離れた山の中へと誘導されていきます。カーブや傾斜がキツくなり、対向車が来たら詰むような細い山道を進みながら「地域住民の憩いの場である公民館が、果たしてこんな山奥にあるのか…」と不安になってきました。
すると、いきなり視界が開け、小学校のような建物とグラウンドが現れました。どうやらナビは間違っていなかったようです。
グラウンドには「アンチモンの里」とあります。
(ようこそ!ここはアンチモンの里だよ!)
たけのこの里でも刀鍛冶の里でもなく、アンチモンの里です。アンチモンを知っている方は良いのですが、アンチモンを知らない方からすれば、何やら怪しい団体の施設だと誤解しまうのでは…と要らぬ心配をしてしまいます。
因みにアンチモンとは半金属の元素の1つ(元素記号はSb)で、難燃剤や鉛電池等に使用されるレアメタルです。このアンチモンが輝安鉱に含まれる事から、輝安鉱の産地であった市之川鉱山は「アンチモンの里」という訳です。
丁度公民館の館長さんがいらっしゃったので、鉱山資料館を見学させて頂きました。
レトロな木造の校舎をそのまま利用した公民館ですが、鉱山資料館の内装はリノベーションされており、非常に綺麗な展示になっています。
(清潔感のある展示室)
(大きな輝安鉱)
(かっこいい輝安鉱)
なお、見学は無料で、写真撮影は一部の資料を除いて可能です。
(1人1つまで頂ける輝安鉱のミニ標本。小さな水晶も。)
入館料が無料なのが申し訳ないくらい、貴重な資料と輝安鉱の立派な標本が沢山展示されていますので、これからも存続して欲しい施設だと感じました。
その帰りに、近くにある別子銅山にも寄ってみました。こちらは現在、マイントピア別子という鉱山施設を利用したテーマパークになっており、道の駅が併設されるなど、かなり商業化されておりました。
(遺構が沢山ある)
(散策も可能)
ここは純度の高い黄銅鉱が産出し、その後の住友グループ発展の礎となった日本3大銅山の1つでもあります。
残念ながら既に日が暮れかけており、ゆっくり見学する事は出来ませんでしたので、また機会があれば次回は色々と見学したいと思います。