雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

平瀬鉱山の輝水鉛鉱

今日は遠出をして、久しぶりに国産鉱物採集に行く事にしました。

今回狙うのは、六厩川(岐阜県高山市)の「黄鉄鉱」と、平瀬鉱山(岐阜県白川村)の「輝水鉛鉱」です。こちらはどちらも道路のすぐそばに石が落ちており、山奥まで歩く必要はなく、ハンマーなども不要というお手軽産地のようです。また、2産地は車で30分程度しか離れていないので、サクッと2箇所回れるのも良ポイント。

今回は六厩川→平瀬鉱山という順で見て行くことにします。

  • 六厩川の黄鉄鉱

黄鉄鉱は色んなところで簡単に拾えますが、この産地のものは白いセリサイトの母岩に金色の黄鉄鉱という、まるでメキシコのナバフン鉱山産の標本にも似た美しさなので、かねてから一つは欲しいと思っていたのです。

ちなみに六厩川は砂金採りの産地としても有名で、この日も砂金採りに来ている人がいらっしゃいました。しかし、黄鉄鉱は川の中でなく、未舗装の砂利道を進んだ途中の路肩で拾えるとのこと。

f:id:cetriolo:20220626060617j:image(砂利道を進む)

川沿いの道をガタガタと進んでいくと、セリサイトの路頭がありました。

f:id:cetriolo:20220626061530j:image(黄鉄鉱がキラキラしている)

セリサイトは脆いので壁面が自然に崩れ、その下に黄鉄鉱を含んだ石が沢山落ちるので、そこから気に入った石を探していきます。

1時間程探し、2つ選びました。

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続いて、平瀬鉱山へ移動。

  • 平瀬鉱山の輝水鉛鉱

平瀬鉱山はモリブデン鉱山として昭和50年頃まで稼働していたようです。今は坑口は塞がれ、かつて鉱山で使用していた坑道やパイプ等を再利用したのか、霧立の水という地下水の水汲場が設置されています。

f:id:cetriolo:20220626075005j:image(水汲場の後ろの石垣がかつての坑口)

さて、鉱物採集の本や他の方のブログで紹介されていた場所に向かいます。ここは所謂選鉱場の跡地で、今も小さな輝水鉛鉱が落ちていて拾えるとありましたが、参考にした資料等がかなり古かったせいか、現在は木や草が生い茂っており、石を見ることさえ儘ならない状態となっていました。

ここまで来て手ぶらでは悲しい…しかも今回の採集のメインは輝水鉛鉱。多少のカケラでも落ちていないかと霧立の水周辺を執念深く見ていると、路肩の砂利に混じってアルミホイルの様な銀色の塊が落ちているのを発見!

f:id:cetriolo:20220626074937j:image(パッと見、ガムやタバコの銀色の包み紙に見える)

最初は銀紙のゴミかと思いましたが、拾い上げるとズッシリと重い。輝水鉛鉱で間違いありません。

その後も周辺を散策し、やや大きなものも含めていくつかカケラを拾う事が出来ました。

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帰宅後、拾った石を簡単に水洗い。

f:id:cetriolo:20220626080228j:image(左側はセリサイト母岩のこの産地の典型的な標本)

f:id:cetriolo:20220626080256j:image(独特の六角板状が分かる標本も拾えて大満足)

久しぶりのヒスイ以外の石拾いでしたが、なかなか新鮮味があって楽しい一日となりました。

ちなみに六厩川で砂金採りの方を見かけたので、帰宅後に砂金採りについても調べたところ、砂金採りもかなり沼なジャンルの様でした。