雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

名古屋ショーで現金採拾

中部エリア最大のミネラルショーと言えば、名古屋ミネラルショー(通称名古屋ショー)。その2日目に参加してきました。名古屋ショーは日程が合わなかったり、コロナ禍等もあったりで、かれこれ参加するのは10年ぶりとなります。

さて、国内のミネラルショーの中でも、名古屋ショーは同好会や個人の出展者が多く、そういったお店では鉱物愛好家が自ら採集した標本を販売しているというのが、このショーの面白いところだと思います。

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故に、他の国内ショーとの違いとしては

  • 国産鉱物、特に東海地方や西日本の鉱物が多い
  • 価格帯が全体的にリーズナブル(ワンコイン標本が沢山ある)
  • 客層としては、年配の男性及び理科趣味のお子さんが多い
  • 出展者と石談義をするお客さんが多い

と言ったところでしょうか。アクセサリー系やルース系のお店は少なく、他のショーでは外国産標本をメインで扱っているお店でも、客層を反映してか国産鉱物を多めに販売しています。

f:id:cetriolo:20230828001911j:image(ショーの様子)

会場へは10時過ぎに到着。昔に比べると、会場も1フロア追加されて広くなり、お客さんの数も激増していました。

また、10年前には国産鉱物のお店で石を見ていたのは年配の男性客ばかりだった印象がありますが、今回は老若男女問わず国産鉱物を手に取っていました。それだけ、この10年の間にネットやSNS等によって鉱物趣味が多くの方に広がり、国産鉱物に魅力を感じる人が増えたという事なのでしょう。

さて、今回の自分の欲しいものリストは

です。

個人出展者のお店を中心に回り、優柔不断な自分は夕方まで悩みに悩み続け、今回は5つの標本を購入しました。

f:id:cetriolo:20230828004504j:image(今回購入した標本)

槙ノ川のボトリオ石は見つけられませんでしたが、以下、購入した標本を紹介していきます。

f:id:cetriolo:20230828004910j:image(横約15cm、縦約12cm)

この日最初に購入したのは、欲しいものリストどころか国産鉱物ですらない硫黄のデカ標本。個人出展者のお店で、ひっそりと足元のケースで格安販売されていました。ショーに来て早々に、大きい上に脆い硫黄の標本を購入して持って歩くのは躊躇われましたが、1点しかない標本だったので覚悟を決めて購入。

f:id:cetriolo:20230828010209j:image(温泉の匂いがする)

シチリア島の硫黄は綺麗な事で有名ですが、こちらの標本は母岩の白い方解石と鮮やかな黄色の硫黄の取り合せが気に入りました。ただ、この購入により、自分の保有している外国産標本の中で1番大きな標本が硫黄になってしまいました。

f:id:cetriolo:20230828010607j:image(まりもと呼ばれるクーク石(リチウムを含む緑泥石)が入っている)

まりも水晶は欲しいものリストに挙げていた石ですが、沢山のお店で取り扱いがあったため、かなり悩みました。こちらはやや透明度は低いですが、まりもの入り方と形状の良さから、この標本を選びました。

  • スペインの霰石(アラゴナイト)

f:id:cetriolo:20230828012230j:image(両端は薄灰緑色で、中央に向かって薄紫色になっている)

茶色のモロッコ産霰石はよく見かけますが、今回のショーでは、スペイン産の薄紫色の霰石が複数のお店で販売されていました。沢山採れるのでしょうか、殆どの標本がリーズナブルな価格帯でした。こちらも散々迷った挙句に、紫水晶の様な透明感とグラデーションの美しさからこちらを購入。

f:id:cetriolo:20230828082148j:image(両錐になっている)

欲しいものリストで挙げていた石の1つ。パキスタン産のオイル入り水晶の様に、紫外線で内包物が蛍光するという水晶で、名古屋ショーで是非ともゲットしたいと思っていたのでした。会場では1店のみで取り扱っていたように思います。ただ、同産地の標本がいくつも並んでおり、予算の都合も相まって優柔不断な自分は随分と迷ってしまったのでした。

長時間悩んだ挙句、ようやく中くらいの価格帯の石を選択。しかし選択後、妥協したことにより後悔してきた過去を思い出し、また最初から悩み始める始末。最終的にはそれより高価格帯ではあるものの、サイズも大きく形状も両錐で、黄色とオレンジの点々が入り混じった星空のような蛍光の石を選び直す事に(かなり店頭で悩んでいたため、お店の方や他のお客さんのご迷惑になってしまったと猛省。そんな自分にも親切にご対応して下さったお店の方には、この場で再度お礼申し上げます)

さて、帰宅後に蛍光を見ようと紫外線ライトを照射したところ、店頭で見た星空のような蛍光が全く見られません。後から気付いたのですが、お店で蛍光を確認する為に貸して頂いていた紫外線ライトは、手持ちの安価な紫外線ライト(395nm程度)とは異なる波長のタイプ(365nm程度)だったのです。上記の波長の紫外線ライトは持っていませんので、あの星空のような蛍光は当面お預けとなりました。

※9月3日追記

とうとう365nmの紫外線ライトを購入。下の写真の様に395nmと365nmでは蛍光に大きな差が見られました。

f:id:cetriolo:20230903155208j:image(左が395nm、右が365nm)

f:id:cetriolo:20230903155551j:image(蛍光はオレンジ色と黄色の2色が確認出来る)

紫外線の波長の違いによる蛍光については、別途記事にする予定です。

f:id:cetriolo:20230828102705j:image(小さく黄緑色の苔みたいな部分が燐灰ウラン石)

欲しいものリストでは岡山県人形峠の燐灰ウラン石を挙げていましたが、人形峠の燐灰ウラン石は人気があるためか、国産鉱物の地味系標本の中ではやや高額。購入を迷っていると、産地の異なる燐灰ウラン石が小学生のお小遣い価格で販売されていたので、ついこちらに飛び付いてしまいました。

ルーペで見ることを前提としている標本は、多くの場合メイン鉱物の場所を示す矢印が付いているため、自分はこういった標本を「矢印標本」と勝手に呼んでいます。何となくですが、矢印標本を購入するのはハイレベルな石マニアの方というイメージがあり、にわかマニアの自分には敷居が高く、今まで矢印標本を購入した事はありませんでしたが、今回初の購入となりました。

f:id:cetriolo:20230828103541j:image(矢印の位置がちょっと適当なのもご愛嬌)

久しぶりの名古屋ショー、とても楽しめましたが、やはり国産鉱物を見ると購入するより自分で拾ってみたくなります。

また涼しくなったら石拾いや瓶拾いを始めたいと思ったのでした。