雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

場所知らずのパープルクォーツ

本格的に夏がやってきました。今年は高い気温に加えて夕立ちが多いからでしょうか…例年よりも雑草や虫が多く、昨年よりも鉱物やレトロ瓶を探すのに難儀しています。

週末は何をしようか悩んだ末、今回はネットの情報で知ったマイナーなズリ場に水晶を探しに行く事にしました。

そこはとある鉱山のズリ場。鉱山跡及び周辺のズリ場は既に立入及び採集禁止となっているそうですが、1箇所だけ鉱山から随分と離れた場所に小さなズリ場があり、そこでは未だに水晶(稀に紫水晶)の採集が可能との事です。

ただ、その離れたズリ場については大凡の位置は分かったものの、ピンポイントでの特定が出来なかったため、今回は取り敢えず周辺に行ってからそれっぽい場所を探す…という行き当たりばったり状態でスタートします。

さて、ズリ場があると思われる場所付近にやって来ました…が、草や木が生い茂っていてどこがズリなのか皆目見当もつきません。

適当に車を走らせながら、キョロキョロと道の両サイドの雑木林や草むらを見て行くと、他所の場所から持ってきたと思われる砂利を均して敷き詰めたような小さな空き地がありました。

f:id:cetriolo:20220801121953j:image(普通の砂利ではない様な…?)

そこだけは草が生い茂っておらず、敷かれた砂利が剥き出しになっています。また、落ちている石もよく見ると微細な水晶が付いていてキラキラしたものがあり、ズリっぽい雰囲気があります。

噂のズリ場ではなく、単にズリを砂利代わりに敷いただけの場所かも知れませんが、正確な場所が分からないので、ここがその場所だと思う事にしました。

早速何か綺麗な石が落ちていないか見て行きます。

1ミリ以下の微細な水晶が付いた石の欠片は沢山見つかるのですが、長さのあるものや頭付きの水晶はなかなか見つかりません。また紫水晶と言えるような色付きの水晶もありません。

やはり、ヒスイや蛍石に続いてここでも紫色はレアでマイノリティ。紫色は昔から高貴な色として扱われ、聖徳太子の冠位十二階でも最高位の色とされるなど、何かと特別扱いされています。

にも関わらず、自分は雑誌のSPAで「紫色の服を着ている女性をナンパすると上手くいく確率が高い!」というアホな記事を読んで以来、どうしても紫色=ナンパしやすい色というイメージが真っ先に思い浮かぶのでした。

そんな低俗な事を考えながら、炎天下の中で地面をウロウロ探す事30分、ようやく紫色の小さな水晶を発見する事が出来ました。

f:id:cetriolo:20220801121904j:image(ちょっと歪な形)

その後も丁寧に見て行くと、6cm程度の水晶のクラスターや紫水晶の欠片などをいくつか拾うことが出来ました。

しかしこの後、あまりの暑さで活動限界に達したので1時間程度で散策を終了。やはり夏場は拾い系アウトドア(というジャンルが確立しているかどうかはさておき)は厳しいものがあります。

さて、家に帰って石を洗浄。紫水晶は国内の有名産地のもののように綺麗な形や透明感のある標本ゲットとはなりませんでしたが、水晶はなかなか透明感もあり綺麗です。

f:id:cetriolo:20220801123555j:image(先端のみ紫色、約2.5cm)

f:id:cetriolo:20220801123558j:image(透明感がある、約5cm)

f:id:cetriolo:20220801124059j:image(今回拾った標本)

結局、あの空き地がズリ場だったのかは不明のままですが、一応石が拾えたのでヨシ!

暑さが落ち着いたら、改めて訪れたいと思ってはいますが、そうやってのんびりしているうちに工事で埋め立てられたり、採集禁止になったりで、毎回採集の機会を逃しているのでした。