雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

パッ!としないでりあ

ここ最近は忙しく、週末も時間がとれませんでしたが、やっと1ヶ月ぶりにヒスイ拾いに行くことが出来ました。

久々のヒスイ拾い、きっと日々の頑張りへのご褒美に素晴らしいヒスイを拾えるに違いない…と期待しながら海岸へ向かいます。

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…が、やはりそう現実は甘くありません。波が結構強く、石も出ている場所はありますが全体的に砂っぽい状態。

それでも、細かい石が集まっている場所や、砂から少しだけ見えている石を丁寧に見ていきます。

歩き始めて30分、ようやく石の集まっている場所にヒスイを見つけました。

f:id:cetriolo:20221120094634j:image(24g、比重2.94)

よくある白い地味なヒスイです。濡れている時は白オンリーかと思いましたが、帰宅後に乾いた状態でよく見ると、薄ら紫色になっている部分がありました。

f:id:cetriolo:20221120100536j:image(上の部分が薄ら紫色に見える、右隣はこの後で拾ったヒスイ)

よくヒスイファンの間で言われる「ヨシオのラベンダー(※)」というヤツでしょうか。

※元々海岸で拾えるヒスイは天然記念物指定されているヒスイ峡エリアのヒスイが流れ着いたもので、ヒスイファンの間では、山に複数あるヒスイの産出ポイントのうち、どこで産出されたものかをその色や不純物等の特徴から推測し、ポイント名(入コン沢、金山谷、横川等)で呼ぶ事があります。

「ヨシオのラベンダー」もその1つで、ヨシオ沢という場所で産出される透明度の低い白〜灰色地に落ち着いた紫色が入るタイプが主にこう呼ばれているようです。「ヨシオのラベンダー」という響き、フェルマーの最終定理将太の寿司的な感じで人名かと思ってしまいますが、地名に由来しています。

※因みにヒスイファンの間では、海岸で拾ったヒスイについてもこれらを「産地」と呼ぶ事があります。しかし、鉱物ファンの言う「産地」は、実際に産出した場所(細かい場合は同じ鉱山でもどの坑から出たものか)が正確に特定されていることを前提にしていますが、海岸で拾ったヒスイの「産地」はあくまでも憶測の域を出ないという点で、鉱物ファンの言う「産地」とは意味合いが若干異なるので注意が必要です。

さて、やはり歩いていてもパッとしない雰囲気です。寒いし風も強いし海岸のコンディション微妙…ということで、一旦休憩を兼ねてフォッサマグナミュージアムにやって来ました。

f:id:cetriolo:20221120100831j:image(入り口付近の紅葉も色づいています)

ヒスイの展示室では、微妙に展示されていたヒスイが以前と変わっていました。どこかの博物館に貸し出しているのでしょうか、お気に入りの青ヒスイが居なくなっています。

f:id:cetriolo:20221120102450j:image(常設のヒスイ展示室から居なくなっていた青ヒスイ)

ちなみにこの日、博物館では石のガイドの講習会をやっていました。

博物館を後にし、もう一度海岸に戻ってヒスイを探します。

しかし、先程よりも一層砂浜化した場所が増え、上の写真で紹介した小さなペパーミントグリーンに黒のポツポツが入った透明感のないヒスイを拾っただけになりました。

結局お昼頃には早々にヒスイ拾いを諦め、糸魚川を後にしたのでした。