梅雨に入り、天候が不安定な日が続いていたので石拾いをずっと見送っていましたが、今週の土曜日は久しぶりの晴れ予報ということで、1か月ぶりに糸魚川へヒスイ拾いに行く事にしました。
お天気アプリの予報では波は0.2m、風速も1m。良コンディションを期待しながら車を走らせます。
さて、糸魚川に到着。天気が良いからでしょうか、海岸は沢山の釣り人で賑わっていました。
肝心の海岸の様子は…ほぼ凪。波打ち際にも石があり、海の中までハッキリ見えるため、羽生ヒスイを拾った日(2月)以来の好条件にテンションが上がります。
(海の中もクリアー)
しかし、波打ち際をいくら歩こうと一向にヒスイが見つかりません。しかも波の奥が見えるというのに、海中に見えるのも何故か全体的に茶色い石が多め…。もしかしたら、ここ最近の大雨で河原の岩が土砂とともに沢山海に流れ込み、それらが波打ち際に近い海中を覆っているのも知れません。
3時間歩いて成果ゼロ。ヒスイのカケラや灰色ヒスイさえも無いので、「きっとヒスイ達はゲルマン民族の大移動のように集団で別の場所に引っ越したんだ」と思う事にしました。
雰囲気的にこれ以上探しても見つからなそうだったので、早めに切り上げて観光でもしようと思いながら、車に戻るために波打ち際を歩いていると、変な色の石が波打ち際に落ちていました。
(妙な色合い)
灰色地に紺色がまだらに滲んだような不思議な色で、拾い上げた時はヒスイとは思わなかったのですが、よく見るとギラギラした結晶とヒスイ独特の求肥のような質感があり、青ヒスイである事に気付きました。この色合いのヒスイを拾うのは初めてです。
(62g、比重3.28)
やっとヒスイに、しかもなかなかのサイズの青ヒスイに出会えて嬉しくなり、帰ろうと思っていた気持ちが吹き飛びます。
しかし、その後1時間歩いてもやはりヒスイは見つからず、体力もなくなってきたので、フォッサマグナミュージアムに先程拾った青ヒスイに似たタイプのヒスイが展示されているかどうかを見に行く事にしました。
フォッサマグナミュージアムも久しぶり。先程拾った青ヒスイと同じタイプだと断定出来る程のそっくりなヒスイは展示室で見つけられませんでしたが、訪れていない間に新着標本でしょうか、先日新鉱物として話題となった北海道石の展示がありました。
(前からあった標本？それとも新着？あまり記憶にない)
さて、まだ時間があります。体力的には限界に近いですが、折角の良い天気なので別の海岸にも行ってみる事にしました。
別の海岸も、やはり海の中に見えるのは茶色い石ばかり。ロディン岩さえも見当たらない状態で、雰囲気的にヒスイはなさそうです。2時間歩いて、小さいヒスイを1つ見つけたものの、後は続きませんでした。
(8g、比重3.16)
まだ日も明るいですが、体力が尽きたので帰る事にします。
(本日拾った石)
さて、帰宅後に例の青ヒスイをじっくり見てみると、意外にもかなり透過する事が分かりました。灰色の部分も一般的な灰色ヒスイとは異なって透明感があり、まだらに入った紺色部分の透過は深海のようで味わいがあります。
(青い部分も灰色の部分も全体的に透過する)
青ヒスイが産出地ごとにタイプが異なるのは以前にも述べたところですが、残念ながらこの青ヒスイがどのタイプに属するかは自分には判別がつきません。
今年に入ってから拾った青ヒスイは3つですが、今回のヒスイは2月に拾ったシャーベットカラーの青ヒスイとも3月に拾った糸巻き青ヒスイともちょっと雰囲気が異なります。ネットで画像検索すると、入りコン沢と称するものに似たタイプのヒスイがありましたが、入りコン沢の青ヒスイにも様々な雰囲気のものがあるようなので、この石が入りコン沢かどうか定かではありません。
この石も、いつか詳しい方に聞く機会があれば聞いてみたいヒスイの１つとなりました。
まぁ分かった事と言えば「この青ヒスイの灰色と紺色の配色、どこかで見たことあるけど何だっけ…？」と思っていたところ、「あ、ブルーアイズホワイトドラゴンのカード(初期)だ」だと気付いたという事くらいです。
