雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

ペールグリーンの日

今年のGWは地元に帰って友人と遊んだり親族のBBQに参加したりと、文字面だけなら典型的な陽キャのような過ごし方をし、GWにヒスイ拾いに行く事が出来ませんでした。という訳で、かれこれ1か月ぶりのヒスイ拾いです。

今年のGWは天気も良く、糸魚川の海はヒスイ拾いや釣りを楽しむ方で大盛況だった様ですから、GW後にヒスイはあまり残っていないかも知れないと思いつつ、道をひた走ります。

今日の糸魚川は曇りのち雨という事ですが、到着した時は気持ちの良い晴れ間が広がっていました。

波は予報だと0.2m。凪を期待していましたが、波打ち際でバシャンと弾けるようなタイプの強い波が定期的に来るため、波の奥まで見る事は出来ません。

f:id:cetriolo:20230514081213j:image(石もちらほら)

ヒスイ拾いに来ている人は通常の週末よりもかなり少な目。このGW後のタイミングが吉と出るか凶と出るか楽しみつつ、海岸を歩きます。

なお、今日の海岸は石こそ出ているものの、目立つのは石英石英斑岩ばかり。

3時間歩いて、ようやく小さな灰色ヒスイを見つけました。

f:id:cetriolo:20230514082538j:image(11g、比重3.22)

やはりGW後のヒスイ拾いは厳しいか…とトボトボと来た海岸を戻ること30分。目の前で弾ける様な波が引いた後、ポンと置かれたかの様に、波打ち際に青白い石が残されていました。

f:id:cetriolo:20230514083515j:image(68g、比重3.25。写真は色が飛んでしまった)

f:id:cetriolo:20230516081354j:image(濡れている状態、ハンペンや蒟蒻を思わせるおでんの具のような形)

薄いグリーンに暗いグリーンのスポットが所々にあるヒスイです。2.3cmの厚みが有りますが、太陽光でも一部が透け、ペンライトの光では反対側に透過する程の透明感があります。

f:id:cetriolo:20230516080331j:image(太陽光の元で撮影)

f:id:cetriolo:20230514092948j:image(ペンライトでの透過)

なかなか良い感じのヒスイが拾えて一安心。さらに15分後に白ヒスイを波打ち際で発見。

f:id:cetriolo:20230514095428j:image(19g、比重3.08)

しかしその後は全く続かず、同じ海岸を歩くのも飽きてしまったため、気分転換に別の海岸に移動。

別の海岸もやはり空いています。しかし、ここも目につくのは石英等の白い石。ここでは1時間程歩いて緑地に黒が入る小さなヒスイを1つ拾って終了。

f:id:cetriolo:20230514094153j:image(8g、比重3.11)

その後は更に別の海岸に移動。この海岸は最近人気のようで、午前中に近くを通った時は沢山の人がヒスイ拾いをされていたのですが、午後は比較的空いていました。

時間的にここが最後の海岸になるため、悔いの残らないよう探していきます。

が、ここもやはり軽い石が目立ちます。拾えども拾えども、石英曹長岩…石英斑岩…稀に微妙なヒスイ混じりの石…。

拾える気がしなくなってきたのと、予報通り雲行きが怪しくなって来たので、戻りつつ波打ち際を見ていると、また波が引いた後にポツンとヒスイが砂利浜に残されていました。

f:id:cetriolo:20230514100523j:image(31g、比重3.19)

所謂金山谷系と呼ばれる黒と緑が入り混じったタイプです。ヒスイを拾い始めた頃はこのタイプのヒスイがよく拾えたのですが、ここ最近は拾えていなかったので、今日は先程拾った小さなヒスイと合わせて2つ拾えたのが嬉しい。

丁度車に戻ると、雨が降ってきました。

f:id:cetriolo:20230514131232j:image(本日拾ったヒスイ、何故かペールグリーンのヒスイが多い)

GW後ではありましたが、意外にも自分の中では良い感じのヒスイが拾える結果となりました。

やはり、いくら沢山の人が来たとしても、これだけ広い海と大量の石がある中で、人間の探せる範囲には限界があるという事でしょう。

ただ、ルールやマナーの範疇を超えて取り過ぎるような事があれば、その分ヒスイ拾いという趣味の寿命は短命になり、新たに始める人にとって厳しいものになります。

先日も下記の様なニュースがありました。

割られたヒスイ展示 “割って持ち帰りやめて” 新潟 糸魚川|NHK 首都圏のニュースwww3.nhk.or.jp

ヒスイ拾いのルールやマナーについては、フォッサマグナミュージアムが定期的に呼びかけている所ではありますが、一応ここでもフォッサマグナミュージアムが提唱しているヒスイ拾いのルール・マナーの周知をしておきます。

《ヒスイ拾いのルール・マナー》

  • 大きなヒスイを見つけても割らない
  • 持ち帰るヒスイは手のひらくらいの大きさにとどめる
  • 必要以上に採りすぎない
  • 採取禁止の場所(国の天然記念物に指定されている小滝川及び青海川の区域内)や立入禁止の場所で採らない

これらはフォッサマグナミュージアムの発行している冊子「翡翠ってなんだろう」内の記載及び上で紹介したニュース記事によるもの。個人的には、ここに「加工したヒスイ(端材)を河川及び海岸に投棄しない」を入れたい…。

現在、ヒスイ拾いは上記のルール・マナーの範疇で誰もが楽しめるものとなっていますが、「大きなヒスイ」「手のひらサイズ」「必要以上」というのはやや抽象的な表現ですので、この辺りは人によって判断基準が異なり、今後ヒスイ趣味人口が増えればトラブルになる危険を内在しているようにも思えます。

とは言え、ルール・マナー違反行為が続けば、石川県小松市の様に、条例によって一切の採集が禁止となってしまう可能性もありますので、その段階に至る前に、禁止事項や基準を明確化した条例作り等、何かしらの対策は必要かと考えます。

自分も糸魚川市の財産であるヒスイで2年以上楽しませてもらっていますので、糸魚川市の「ヒスイを守りながら楽しんでいただく試み」に協力したいと思っています。