雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

水晶とヲチニ液

先日ヒスイ拾いがテレビ番組で取り上げられた影響で、このブログにも沢山の方が訪れてくださったようです。お読み頂いた皆様、ありがとうございます。

一方で、それだけ影響があるという事は、今週末はヒスイ拾いの人で海岸は混み合う筈…

という訳で、人混みが苦手な自分は、久しぶりに水晶拾いに行く事にしました。

今回水晶拾いに行く場所は、近隣の方が散歩やジョギングをするような道から少し脇に逸れただけの場所にある気軽なズリ場で、小さい水晶なら綺麗なものが今も拾えるそうです。

早速ズリ場に着くと、天気も良く暖かいため、水晶拾いと思われる方に加え、ウォーキングや動植物の写真を撮りに来た方など、色んな趣味の方がいらっしゃっていました。

早速、綺麗な水晶が落ちていないか地面を見ていきます。

ヒスイ拾いと水晶拾いは探し方が異なる(広くパッと見るか、スポットを凝視して見るか)ので、久しぶりの水晶拾いに目がなかなか慣れません。

とは言え、天気が良いのが幸いし、透明度の高い小さな水晶をいくつか拾う事が出来ました。

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1時間半程水晶拾いに没頭しながらウロウロ下を見ながら歩いていると、印判皿の破片やガラス片が落ちているのに気付きました。

もしやハケが近くに…と思い、落ちているどんぐりを手掛かりにトトロを追いかけるメイの様に、印判皿の破片が増えていく方向を辿りながら雑木林の道を進んで行くと、何と大量のガラス瓶が置かれたハケを発見。

…しかし、その瓶のラインナップや置かれ方から、明らかに最近誰かがこの場所にあったハケを掘った上で、不要な瓶だけ残していった、というような状態でした。

鉱物もレトロ瓶も早い者勝ち的な要素があるので仕方ありませんが、少しでも何か残っていないかと近くを探すと…

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杉の葉の間に小さな薬瓶が隠れる様に落ちていました。更に…

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大ペロ⁉︎

薬瓶も大ペロも透明なガラスだった事に加えて杉の葉に隠れるように落ちていたためか、先行者には見落とされたようです(若しくは好みの瓶ではなかった?)

その他小さなおはじきやビー玉を拾ってこの日は終了としました。

家に帰って水晶やガラス瓶を洗浄します。

f:id:cetriolo:20230312154911j:image(この日拾った水晶)

f:id:cetriolo:20230312152541j:image(うち1番のお気に入り)

f:id:cetriolo:20230312160021j:image(この日拾ったレトロ瓶類。水晶拾いに行った筈だが…。)

例のハケの年代ですが、見つけたおはじきの形状や薬瓶の雰囲気から、おそらく大正〜昭和初期と思われます。先行者の方はどれだけ良いレトロ瓶を見つけたのでしょうか(ただ、掘り散らかしっぱなしは感心しませんが…)

さて、久しぶりの瓶の紹介です。

・ヲチニ液

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大学目薬等よりも一回り小ぶりの透明な薬瓶で、表面に「ヲチニ液」、裏面に「喜香堂」とのエンボス。ヲチニとは、当時(日露戦争前後)の喜香堂が軍人風の衣装を着て「オチニ(オイッチニ)」と声を出しながら練り歩いて薬を販売していたというところから来ているようです(個人的には薬品を販売しようというのに、そんな奇抜なプロモーションは逆効果の様に思うのですが…)。因みにこれが何の薬かは判明しませんでした。

※詳しくは天理大学の下記サイト参照

www.sankokan.jp

・大ペロ

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薄いウイスキーのような不思議な色で、何故か左右の持ち手の形状が異なります。最初は片方が欠けていると思ったのですが、下記のサライの記事を読む限り、元よりこの形状の様です。

serai.jp

ペロペロはガラスの型自体が歪んでいたり斜めだったりと、今の時代ではなかなか考えられないのですが、それすら味になっているのが面白いですね。

…と、水晶拾いに来たのに思わぬハケの出現に驚き、結局瓶拾いに来たみたいになってしまいましたが、久しぶりに瓶拾いを楽しむ事が出来ました…花粉さえなければ。

という事で、花粉症により、その後目や鼻がとんでもない状態になったのでした。