中津川市といえば日本三大ペグマタイト産地の一つで、立派な水晶や長石を産出したことで有名な場所。
ただし、現在産地一帯での水晶は表面採取(要は拾うこと)も含めて禁止されています。
折角なので、用事が終わった後にかねてから行きたいと思っていた中津川鉱物博物館に行こうとHPを確認するも休館日…。
だがこんな遠くに、しかも鉱物マニアの聖地に来たのだから、何か鉱物関連のアクティビティをしたい…。
調べると、中津川市では川でトパーズも見つかり、そちらはまだ採集禁止になっていない場所があることが分かりました。しかも砂金取りみたいな感じで採集が可能らしいのです。
砂金取り体験なら伊豆の土肥金山で何度かやった事があるし、そんなに大変じゃないかも知れない。
「トパーズを拾う」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は…
という訳で、早速トパーズ探しに必要であるフルイと園芸用シャベルを現地のコメリで調達し、目的の川を目指します。
トラブルになるといけないので、採集禁止になっていないことを近くで畑作業をされていた地元の方に念のため確認し、少し離れた場所にあるハイキング客用の駐車スペースに車を止めてスタート。
…人の気配がする。
既に先客の方がいらっしゃいました。関西からお越しの親子です。
挨拶をして「ありました?」と聞くと「いやー、無いんでもう帰ろうと。息子が1つ、それっぽいのを拾ったくらいです。」とのお返事。
息子さんに形の良い乳白色のカケラを見せて頂くも、そもそも自分の鑑定スキルが低いため、ぶっちゃけそれがトパーズなのか石英なのかよく分かりません。
正直に、「今日初めて挑戦する素人なので判別は出来ないですが、こんな感じの石を自分も探したいと思います」と良く分からん感想を伝えました。
帰る親子に別れを告げ、川…というかこちらの想像を遥かに超えた小さな沢に入り、適当に川底の土砂をフルイに乗せてふるいがけします。
まだ1月、雪も残る人里離れた山の中の沢です。そもそも思い立ってから下調べも無しにすぐ行動しているため、全体的に準備不足で手袋も長靴もありません。水が冷たすぎて手の感覚が無くなってきます。
そう言えば、伊豆土肥金山の砂金取り体験は温水だったかも知れない…
(寒すぎる…至る所にある赤い紐は先行者による当たりスポットの目印だろうか?)
比重の重いトパーズは大きな石の周辺に溜まるのでは…と考え、大きな石の周辺の土砂をフルイに乗せては、ふるいがけする作業を続けます。
寒さも限界に近づいた頃…
石英や長石とはちょっと異なる琥珀色の透明感があるカケラが見つかりました。
更に…
今度は青みを帯びた1cmくらいの大きなカケラがフルイに残りました。これは何だかトパーズっぽい気がする。
いい感じに作業に慣れてきましたが、もう手は限界です。寒さで感覚が無くなりシャベルもフルイもまともに握れなくなりました。
1時間程度で早々に切り上げ、コメダ珈琲店で暖を取りつつ先程拾ってきたカケラ達をチェックします。
半分くらいは石英のカケラでしたが、いくつかは結晶の形や条線からトパーズと思われるものがありました。
(トパーズと思われるもの、1番奥の見切れた石のみ石英)
中津川鉱物博物館には行けなかったけれど、鉱物の聖地中津川市でトパーズを拾えたことに満足しながら帰路に着いたのでした。
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