雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

ヒスイ混じり…ってコト!?

週末、どうやら雨にはならなさそうだったので、またもやヒスイ拾いへとやって来ました。

今回も須沢海岸西側からスタート。波は冬と比べて落ち着いており、石も出ていて良い感じです…が、花粉が多過ぎて、今日はあまり長い時間うろうろ出来ない予感がします。

さて、1往復しましたが、目ぼしいものは無かったので一度車に戻って花粉対策をしようと駐車場に向かうと、ご夫婦でヒスイ拾いに来ているという年配のハンターさんから「ヒスイ拾えたか?」と声をかけられました。

いつも通り…というか、いつもこの質問を他のハンターさんから受ける時は1つも拾えていない時ばかりですので、「いいえ」と答えると、「今日は全然駄目だけど、昨日はすごく大きいのが取れたよ。ほら。」と車の中から漬物石サイズの薄灰緑色のヒスイを見せて下さいました。

自分はなかなか大きいサイズを拾ったことはなく(せいぜい200g)、基本的に大きな石は収納場所に困るので、50〜100gくらいで上質なヒスイがベストなのですが、この日は大きな石を見てしまったがために、その迫力や存在感にちょっと良いなぁと思ってしまいました。

「でかつよ」なヒスイが欲しい…!

完全にデカさと迫力への執着により、2往復目では、いつもなら拾わないタイプの石(=ヒスイだと確信が持てない石)を、うっかり2つも拾ってしまいました。

更に小さな三角形の白地にグリーンが滲んだ様なヒスイを波打ち際で見つけ、午前中は計3つの石を拾いました。

f:id:cetriolo:20220606220144j:image(後ろの2つはラベンダーヒスイとグリーンヒスイだったら良いなと思って拾ってしまった500g以上あると思われるデカい石)

さて、いよいよ花粉症がキツくなり、もうヒスイ拾いを続けられる自信がなくなってしまったため、フォッサマグナミュージアムに行き、鑑定と展示を見ることにしました。

午後の鑑定の整理券があっさり取れたので、早速さっきの「でかつよ石」2つを鑑定してもらいます。

結果はやっぱり「ヒスイ輝石岩」ではなく…「ヒスイを含む岩石」でした。

f:id:cetriolo:20220606221059j:image(予想通り)

ヒスイを1つも拾ったことのない頃だったらこの結果でも嬉しかったでしょうが、今は数はそこそこあるので、欲張らずに拾う石を選別しなければいけない段階。また、この結果が出るということはヒスイ輝石の割合はかなり低く、ヒスイとしてのアイデンティティは失われているように思います。

そして、この時ようやく冷静になります。そもそもヒスイの美しさや気品に惹かれて自分のお気に入りとなるようなヒスイを拾いに来ているのに、ヒスイが少しでも含まれているというだけの見た目が普通の石まで拾うのは、それはもはやヒスイというブランド名だけに惹かれているのと同じだと…。ハイブランドのアウトレットショップに行った際に、商品の質やデザインに惚れ込んで購入するのではなく、ブランド名だけに惹かれてリーズナブルだけど微妙なアイテムを買ってしまい、結局あまり使えなくて後悔するパターンと一緒です。

この後海岸に戻り、でかつよ石をリリース。この石はこの石で一応ヒスイ輝石も含んでいるという事なので、ヒスイ拾いに始めて来た方や子供さん達に拾って貰った方が良いでしょう。

f:id:cetriolo:20220606225256j:image(結局この日の成果はこの1つだけになってしまったが、色と形がお気に入り)

そもそも「この石、ヒスイだったら良いなぁ」と祈りながら拾う石は、大抵ヒスイではなかったり、ヒスイが少々含まれているだけの石なので、見た目からはヒスイかどうか分からないレベルの石。もちろんヒスイでなくてもその石が気に入ったのなら、それこそ以前に紹介した本の中の「いい感じの石」(過去の記事はこちら→いい感じの石ころを拾いに - 雑多拾いもん)なので拾うべきですが、そうじゃないならリリースしないと部屋が大変な事になります。

カイジの兵藤会長が「人間祈る様になったら終わりだ」と言っていたのを思い出したのでした。