雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

ヒスイ拾いを楽しむコツ〜計画編〜

前回の記事の中で、ヒスイは少なくとも2〜3時間は歩いて探す必要があるというお話をしました。

※前回の記事はこちら↓

cetriolo.hatenablog.com

ただし、これは自分の経験に基づいた平均値です。ヒスイ拾いは運もありますし、何より海岸の状態や天候に大きく左右されます。

そこで、特に遠方からいらっしゃる方が初めてのヒスイ拾いで残念な気持ちにならないよう、ヒスイ拾い旅を計画する際に事前に知っておくと良いこと等をまとめていきます。

  • 適した季節について

よくヒスイ拾いのシーズンは冬だと言われます。これは前回の記事で言及したように、海が荒れる冬の方がヒスイが打ち上がりやすくなるからです。

もっとも冬以外も当然拾えますし、冬は逆に波を気にしながらヒスイを拾う状態になるので、のんびり楽しむ雰囲気ではありません。個人的には5月頃と10月頃(波はそこそこ、気候も穏やか)が一番気持ちよくヒスイ拾いが楽しめると思います。

台風の日や波の高い日は命の危険がありますので、絶対に行ってはいけません。

  • 海岸の状態について

海岸は日によって(時には時間によって)砂浜になったり砂利浜になったりします。砂浜の日は、石が砂に埋もれているのでヒスイの見つかる確率は下がります。一方で、海岸に石が沢山出ている日の場合は、いくつものヒスイが短時間に見つかることもあります。ヒスイ拾いを始めて1年半の自分には、未だに砂浜になる日の条件が全く分かりません(海に行って初めてその状態を知ります)。

遠方から来たからにはどうしてもヒスイを拾いたい!と考える方は、砂浜の日に当たることも想定して、一泊二日など泊まりで行くのが良いと思います。

  • 天候について

ヒスイは他の石よりも明るく目立つのですが、天気の悪い日はその差が分かり難くなること加えて、結晶の輝きも確認し辛くなります。その結果、曹長岩や石英を拾いがちになります。

事前に天気予報で確認し、出来るだけ晴れの日を選ぶのが良いでしょう。

  • 探す時間帯について

先日のTV番組でもありましたが、地元の方やガチ勢の方は夜明け前や早朝から探しています。

しかし波は常にありますし、どれだけ沢山のハンターさんがいても見落としは必ずありますので、どんな時間帯でもヒスイは拾えます。ただ、波の穏やかな夏は石が殆ど動かないので、早朝の方がチャンスがあるように思います。

  • 事前学習について

初めて拾いに来る方はいきなり海岸で探すのではなく、まずはフォッサマグナミュージアム糸魚川のヒスイ店でヒスイを見ておくと良いと思います。

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気を付けたいのは、ミュージアムの展示やヒスイ店の高価なヒスイを見て「ヒスイ=緑色」とのイメージから、キツネ石やロディン岩を大量に拾ってしまうことです。大きくて緑色の上質ヒスイが拾えるのはごく稀なので、個人的には糸魚川のヒスイ店で、安価なヒスイ原石(1000円前後)を沢山見ておくことが一番勉強になると思います。色んなタイプのヒスイがあるので、拾う際の参考になります。

自分で初めて拾ったヒスイは、購入した標本とはまた別の愛着が沸き、きっと特別な宝物になる筈です。

これから初めてヒスイ拾いに挑戦される方が、楽しみながら自分だけの宝物を見つけられるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。