雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

ヒスイの色と質について〜その①〜

ヒスイ拾いを始めた方が増えたのか、沢山の方がこのブログにアクセスして下さっているようです。記事をお読み頂いている皆様、ありがとうございます。

さて、人気の記事のジャンルを見ていると、ヒスイの判別方法に興味がある方が多いように思います。糸魚川の海岸にはヒスイと良く似た石が沢山落ちている上に、ヒスイ自体もヒスイ輝石の含有率が低いものから高いもの、さらに色やタイプまで沢山ありますから、拾ってきた石がヒスイかどうか、またヒスイだとしてどういうヒスイなのか、きっと悩んでいる方が多いのでしょう。

似た石との比較については既に記事にしましたので、今回はヒスイ同士を比較した記事を書きたいと思います。

まず、糸魚川の海岸で拾えるヒスイの色ですが、基本的には白・緑・黒・青・紫があり、うち青や紫は拾える確率が低いと言われています。

完全に自分の体感で言いますと、ヒスイは下記の様な割合で見つかる印象です。

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ただし、これらは単純に色だけの話で、質という視点が入っていませんので、美しい宝石質のヒスイということになると、更に各色の中において1割未満になってくるかと思います。

では、ヒスイの色について言及していきます。

  • 白ヒスイ

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ヒスイ本来の色である白ヒスイですが、真っ白なヒスイはあまり見つからず、多くは薄い緑色や灰色のものが多いように思います。またスポット的に緑色等が入ったものもあります。

糸魚川の海岸で見つかる石の中では、石英曹長岩・石英斑岩・流紋岩等と見た目が似ています。

因みに、今回この記事を作成するにあたって、手持ちのヒスイを色分け(品質は問わず)した上で比重の平均値を出したところ、白ヒスイの比重の平均は3.11でした。

  • 緑ヒスイ

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ヒスイ輝石の結晶構造中にクロムや鉄が含まれたものが緑ヒスイです。緑ヒスイと言っても、上の写真にあるように、その緑色のバリエーションは様々です。

糸魚川の海岸で見つかる石の中では、キツネ石・ネフライト・ロディン岩・葡萄石等と見た目が似ており、特にロディン岩と葡萄石は明るい黄緑色で比重もヒスイに近いため、慣れるまでは一番判別が難しいかも知れません。

緑ヒスイの比重の平均は3.18でした。白よりも高くなったのは、緑が入った部分のある石の方が混ざりが少ないためだと推察します。

  • 黒ヒスイ

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ヒスイ輝石の結晶粒の間に石墨が含まれたものが黒ヒスイです。多くは透明感がなく、真っ黒と言うよりは白や緑が混ざった迷彩柄の様な色合いのもの(金山谷系等と呼ばれる写真中央のタイプ)ですが、稀に黒いのに透明感があるもの(写真だと中央下のヒスイ)、黒に鮮やかな濃い緑が入ったもの、ほぼ真っ黒のものが見つかります。

ヒスイ拾いを始めて間もない頃ですと、海岸で見つかる黒い石全てが黒ヒスイに見えてしまったりします(自分もそうでした)が、実際の黒ヒスイは真っ黒ではなく、細かい結晶がキラキラと輝いていますので、他の黒い石とは違う事が分かります。

黒ヒスイを拾いたいけれど、まだ拾った事がないと言う方は、輝きが分かる天気の良い日に探すと良いかも知れません。

黒ヒスイの比重の平均は3.18と、意外にも高めでした。黒ヒスイは色というよりも、結晶の輝きや形状で見つけているため、必然的にヒスイ輝石の含有率の高いもののみ選別されたのかも知れません。

 

長くなってきましたので、青ヒスイや紫ヒスイについては次回の記事で取り上げていきます。

続きはこちら↓

cetriolo.hatenablog.com