雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

いい感じの石ころを拾いに

以前図書館でささっと軽く読んだことのあった、とあるエッセイ本を急にちゃんと読みたくなり、今回購入してみました。その名も…

「いい感じの石ころを拾いに/宮田珠己

f:id:cetriolo:20220420000915j:image(帯の「たちまち石ころが拾いたくなる」のフレーズが胡散臭い教材のよう)

いい感じの石(経済的価値があるものではなく、なんとなく雰囲気のある石)を拾いたいと思い立った著者が、色々なジャンルの石マニアから影響を受けたり、時にミネラルショーにていい感じの石ではなく普通に「いい石」をうっかり買ってしまったりと右往左往しながら、海岸でいい感じの石を探し続ける…という何ともゆる〜いエッセイ。

鉱物マニアやヒスイハンターの視点とは少し異なるものの、石好きの「あるある」も押さえていて面白い内容となっています。

個人的に印象に残ったのが、水石趣味のおじさんの「人間は歳をとって死期が迫ってくると丸い石が好きになってくる」といった趣旨の発言。

今のところ、ヒスイの中でも宮崎海岸で拾える丸っこいヒスイよりも親不知海岸等で拾えるカクカクしたヒスイの方が好きだけど、この好みが変わって来るようになったら、いよいよ…ということなのかも知れません。

それはそうと、いい感じの石ではなく、誰から見ても美しく経済的価値のある石を楽して見つけたいという両津の様なガメツさの自分は、ちょっとだけこれを読んで恥ずかしくなったのでした。