前回、前々回とハケ探しをしましたが、年代的にベストなハケや、拾いたくなるレトロ瓶との出会いはありませんでした。廃村・廃集落は大体道もアクセスも悪いので、成果ゼロだと精神的にダメージがデカいです。
ところで、先週訪れた廃村や廃集落の事を調べていると、廃村マニアYouTuberの方の動画が結構あることに気付きました。
住んでいる県の回の動画があったので何気無しに見ていると、背景に何やら散乱した瓶や印判皿が…。
これは盲点!廃村系の動画を見れば、レトロ瓶のありそうな場所をある程度絞れるかも知れない。
ちなみに動画の廃村は、前回リストアップした廃村よりも全然アクセスの良い場所にあり、かつスーパーハケからほど近い山の中にある村のようです。
なら先週の日曜日は何だったんだ…。ただただ廃村周辺の住民から「うろんな客」と思われただけの1日だったような…⁉︎
…気を取り直し、一応スーパーハケに軽く寄ってから、動画の廃村に向かう事にしました。
まずはスーパーハケ。
前回来た時と、少し様子が変わっているような気がする。誰か来た?それとも数日前の大雨によって埋もれていた瓶が新たに露出した?
土から半分だけ出ていた怪しい小さなガラスを引っ張ると…
大ペロでした。一部欠けているのが惜しい!
(洗浄済、1番ネット上で良く見るペロペロの形状)
やはりペロペロは良い。ファンが沢山いるのも納得です。
その後は目ぼしいものは見当たらなかったので、例の廃村を目指します。
この廃村はとある事業の為に集まった労働者とその家族によって形成された村でしたが、その事業が完了したため、昭和中期頃には廃村となったようです。
時代的にもレトロ瓶とピッタリ。
さて、廃村に着きました。当時は沢山の人が暮らしていたのでしょう、今まで訪れた中で1番広いように思います。
建物は既に朽ちて自然と一体化していますが、所々に井戸や風呂、塀や階段のような人工物があり、さながらラピュタの庭園のよう。
(井戸や風呂の跡だろうか)
また、エリア全体に瓶が落ちており、一回で探すのは明らかに無理なので、今回は下見という事でささっと見て、黒い小さな小瓶と透明な目薬瓶(エンボス無し)を拾って帰りました。ちなみに黒い小瓶を拾ったのは、単純に真っ黒の瓶が珍しかったからです。
(洗浄済、今日の成果)
帰宅後に黒い小瓶を洗浄し、光を透過するかどうか天井のライトに透かそうと掲げると、ここで初めて瓶底に何やらエンボスがある事に気付きました。
花王⁉︎
ただ、知ってる花王の月とは向きが逆で、顔も眉が太くて翁系の顔立ち。またパチもんか?
しかし調べると、花王の月マークは当初右向きであり、左向きに変わったのが昭和18年との事。理由は右向きとなる下弦の月は今後欠けていくのに対し、左向きとなる上弦の月は今後満ちていくことから、事業もそれにあやかれるようにという事らしい。
詳しい事は下記のマイナビの記事(花王インタビュー)をご覧ください。
なぜ花王のロゴには"月"が描かれているの? -広報さんに聞いてみた | TECH+
ちなみに、この右向き翁顔の月マークは、大正14年から昭和17年まで使われていたものだそう。大正14年はあの治安維持法が制定された年でもあります。
その当時の人達も、この花王(当時は花王石鹸株式会社長瀬商会)の月を見ていたのだなあ。
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出し月かも
何だか阿倍仲麻呂の気持ちが分かったような分からないような…。