休日出勤をした振替として、久しぶりに平日に休みを取る事になりました。
さて…天気も良いし、何処に行こうか。ヒスイ拾いや瓶探しも頭を過ぎりましたが、折角の休みなので今まで行った事のない場所へ行きたいと考え、以前から気になっていた「アオイガイ」を探しに、福井県嶺南の海岸へと行く事にしました。
アオイガイとは、軟体動物門の頭足綱に属し、正確には貝というよりはタコ等の仲間です。メスはアンモナイトの様な貝殻を有するため、その美しく脆い貝殻はビーチコーマー(海岸を歩き、漂流物をコレクションする趣味の方)にとって人気漂流物の一つであり、ボトルディギングで言うところの「神薬瓶」や「ペロペロ」の様な存在となっています。
以前からネット上で拾った方の報告やアオイガイの写真を拝見しては、自分もいつか拾ってみたいと思っていたのでした。
さて、このアオイガイの貝殻は冬場にのみ打ち上がるらしく、また大量漂着する年もあれば、全く漂着しない年もあるという事なので、取り敢えず過去に打ち上がったと報告のあったエリアの海岸へと向かいます。
(冬の日本海とは思えない天気の良さと暖かさ)
最初の海岸では、残念ながら拾いたくなる様な物は無し。落ちている貝も、よく見かける二枚貝ばかりでした。
次の海岸に移動。ここでは、タカラガイの仲間が落ちていました。最初の海岸には一切タカラガイは落ちていなかったので、海岸の形状や消波ブロックの配置等のちょっとした違いで、打ち上がる貝に違いが生じるのでしょう。ここはその他にも色々な貝が落ちていました。
(メダカラやチャイロキヌタ等のタカラガイも落ちている)
(ウニ殻)
(ベニガイ、沢山落ちていた)
しかし、やはりアオイガイはありません。そう簡単に見つからないこそ価値があるのは分かっていますが、こちとら何時間もかけて来ていますから、せめてカケラでも見つけて帰りたいのです。
サーフィンを楽しむ陽キャの人々の声を背中に感じながら、黙々と海岸を3時間程歩きましたが、結局この海岸にもアオイガイはありませんでした。
最後にもう一つ別の海岸へ。ここは今までの海岸よりも小さな海水浴場です。既に日も傾いてきており、焦りながら貝を探していると…
(こ、これは…!)
アオイガイの貝殻の破片を発見。破片とは言え、実際に海岸に落ちているのも貝殻を触るのも初めてで、「すごいぞ!アオイガイは本当にあったんだ!」とまるでラピュタの存在に感動したパズーの様な気持ちになります。
因みに、アオイガイの貝殻はモナカの皮の様に軽くて薄く、簡単にパリッと割れそうなので、そおっと回収しました。
その数分後…
(横4cm)
小さいながら、今度は全体的にアオイガイの貝殻の形状が残っているものを発見。残念ながら上の部分に穴が空いていますが、先程の破片よりもアオイガイだと分かります。
その後も引き続き探しましたが、結局この2点以外には見つからず、辺りも暗くなってきたので諦めて帰宅する事にしました。
今回、3つの海岸を巡りましたが、距離的には大して離れていないにもかかわらず、それぞれの海岸で拾える貝に違いがあったのが不思議でした。
また機会があれば、アオイガイ探しのリベンジと共に、それらの違いが生じる理由も知りたいと感じたのでした。