雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

2023年初のヒスイ

ヒスイ拾いも今年で3年目。ということで、今年に入って初のヒスイ拾いに行ってきました。

占い等を信じる方ではありませんが、所謂「初物」はその季節や年を象徴するようなところがありますから、出来れば今年初のヒスイは綺麗なヒスイを拾いたいという気持ちがあります。

昨年の初ヒスイは横川の青ヒスイでしたが、今年はどんなヒスイが初ヒスイとなるか、期待しながら道路を進みます。

さて、海に着くと、近くの駐車場が満車です。連休でもないのに何故だろう?と思いながら、遠くの駐車場に停めて海岸に向かうと、今までで1番と言っていい程に海岸は人だらけ。

そう、この日はフクラギフィーバーだったのです。

入れ食い状態なのか、皆さんフクラギをひょいひょいと簡単に釣り上げ、クーラーボックスはフクラギでパンパンになっていました。

釣り人の邪魔にならないよう、波打ち際から少し陸側をゆっくり歩いてヒスイを探します。

冬にしては暖かく、波も穏やか。多くは砂浜でしたが、石の出ている所もあります。

f:id:cetriolo:20230115062604j:image(曇り空なのが残念)

フクラギを釣り上げる人を横目にヒスイを探しますが、1時間程歩いても見つかりません。

ロディン岩やヒスイ混じりの石は落ちているので、全く打ち上がらない日という訳ではなさそうですが、フクラギとは異なり、ヒスイフィーバーとはいかないようです。

かねてから思っているのですが、一人でヒスイを拾いに来ているハンターさん達は、ヒスイが中々見つからない時はどんな事を考えながら探されているのでしょうか。自分は気を緩めるとすぐに仕事の事を考えてしまうため、とにかく色んな妄想をしながら探します。今回は、先日見たばかりのマグロ特番について考えていました。

毎年、年末年始になるとマグロ特番が放送されます。自分は子供の頃からこの手の番組が好きで視聴するのですが、大体番組に取り上げられるマグロ漁師(3〜4名程)には決まって次のような傾向があります(例外もあり)。

①凄腕系

②新人系(脱サラ漁師、子沢山の若者verもあり)

③トホホ系(全然釣れなくて視聴者が応援したくなる枠)

①はYouTuberの釣りチャンネルにも通じるものがあり、とにかく最新の機材を駆使し、息の合った仲間と効率良くバンバンとマグロを釣り上げる様が見ていて気持ち良いというもの。バックで流れる曲もEDM的。

一方で③は、マグロが釣れない→最新鋭の機材が買えずに古い機材を使用&1人→マグロが餌に食い付いても機材トラブルor1人で対応出来ずにモタついてマグロに逃げられる、という負のスパイラルからいつ脱出出来るのかを試聴者がハラハラしながら見るというもの。バックでは大抵哀愁漂う演歌が流れます。

絶対にヒスイ拾いがこのマグロ特番のような形で取り上げられる事はありませんが、仮にそうなった場合、自分は③の枠だなぁ…等と考えながらヒスイを黙々と探していました。

すると、海岸に目立つ白い石を発見!先の妄想を終了して駆け寄ると

f:id:cetriolo:20230115070859j:image(26g、比重3.32)

端材!

あゝ、今年初のヒスイは端材となってしまいました…。透明感のある白地に黒や薄〜い黄緑がある綺麗な端材です。今までの端材の様な露骨な切断跡はありませんが、不自然に平らな面がいくつもあるので、かなり昔に捨てられてから海で磨耗されて打ち上がったのでしょう。

f:id:cetriolo:20230115080056j:image(透過は綺麗)

一応端材を拾い、「端材以外のヒスイを見つけたらそれを初物としよう」と考えていましたが、結局その後は見つからず、昼過ぎに雨が降ってきたために終了としました。なのでマグロ特番で言うところの③のまま…。きっと哀愁漂う演歌がバックで流れる事でしょう。

端材からスタートしたこの2023年、今年はどんなヒスイ、鉱物、及びガラス瓶との出会いがあるのでしょうか。