雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

神薬の百年パズル

梅雨に入り、スッキリとしない天気が続いています。本日の天気予報では終日曇りとの事でしたので、新たなハケを探しに以前から目星を付けていた廃集落に行く事にしました。

向かうのは家から1時間程度の廃集落。アクセスの悪さと豪雪地帯という立地条件から多くの廃集落と同様に過疎が進み、平成に入ってまもなく無人となったようです。

対向車が来たら詰むような狭い道を進んでいくと、廃集落の近くで可愛い住人と出会いました。

f:id:cetriolo:20220617125532j:image(こちらを見ている)

犬かと思いきや、まさかのキツネ。とても人懐っこく、こちらの車を見るなりゆっくりと近づいてきて、ずっと側で待っています。

ここはダムや写真のマニアも沢山訪れる場所のため、観光客に餌付けされているのかも知れません。

野生動物に餌やりは厳禁…とは思いつつ一応食べ物を探すも、フリスクしか持ち合わせていませんでした。

サヨナラして車を走らせると、少しの間は走って付いてきていましたが、途中で諦めてUターンしていました。ちょっと寂しい。

さて、廃集落に到着。周囲を散策すると、道路脇の斜面に大きなハケがありました。どうやらこの集落では、斜面の上から下へと投げ捨てていた様です。

f:id:cetriolo:20220617203853j:image(画像ブレブレ)

斜面を頑張って降りて探すも、比較的新しい瓶や陶器ばかりでした。崩れた部分を見るとゴミが地層のようになっていたので、掘れば古い瓶が出てくるかもしれませんが、掘るためには地権者の許可が必要となってきますのでここは諦めます。

その後は、かつて家があったと思われる空き地や集落裏手の雑木林等を見て回りましたが、大きな瓶が多く、好みの瓶はありませんでした。

そろそろ戻ろうと歩いていると、道脇に集められた砂利石の中に青いガラス片が纏まって落ちているのに気が付きます。「水野薬房」とエンボスもあるので、記念に拾って帰りました。

f:id:cetriolo:20220617205622j:image(これが落ちていたガラス片、近くの苔むした場所に移動させて撮影)

なお、帰り道ではあのキツネに会う事は出来ませんでした。

さて、帰宅後にガラス片を洗浄し、試しにガラス片同士が合うか試してみると、どうやらいくつかは合いそうな雰囲気です。そこで、少しずつガラス片同士をセメダインで接着していくと…

小さな穴や欠けが少しあるものの、ほぼ復元することが出来ました。

f:id:cetriolo:20220618072647j:imagef:id:cetriolo:20220618073016j:image(1つパーツが余った…別のコバルト瓶のパーツまで混ざっているとは難易度高いZE)

瓶が完成したことで、こちらの瓶は「水野薬房」「改良神薬」であることが分かりました。

f:id:cetriolo:20220618074515j:image(表面、この神薬瓶は底面が正方形のタイプ)

f:id:cetriolo:20220618074533j:image(裏面)

水野薬房については富山県の配置薬会社だった事が分かりましたが、それ以上の事もこの神薬の年代も不明。ただ、「改良」とあるので、こちらは同社のリニューアル商品なのかも知れません。

武藤遊戯の組み立てた古代エジプト時代のパズルが千年パズルなら、こちらは約百年程前に製造された(と思われる)神薬瓶の百年パズル。

百年前のゲームが得意な霊が別人格として出てきたりしないかと、要らぬ心配をするのでした。