雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

本年度最後の瓶拾い

大分寒くなり、落ち葉も増えてきました。あと少しすれば、懇意にしているハケたちは雪の下に埋もれてしまいます。時期的に今回が今年最後の瓶拾いになりそうなので、気合いを入れてスーパーハケに向かいます。

毎回来るたびに同じ事を思いますが、大分目新しさがなくなってきました。いつもの佃煮瓶、海苔瓶、化粧品の瓶…。

今回は流石に拾いたくなる瓶は無いか…とボウズ逃れのおはじきや謎のワインレッドの小瓶、ノーエンボスのインク瓶を拾っていると、またも両口式点眼瓶が見つかりました。しかも見慣れないエンボス…「ほしとり目薬」と読めます。ファンシーなネーミングの目薬瓶にテンションが上がります。

さらにその近くにも両口式点眼瓶。こちらは「EYE WATER ROHTO」とのエンボス。ヨシ!初めてのロート目薬だ!と思ったのですが、残念ながら頭の一部が欠けていました。

その後も側でノーエンボスの点眼瓶と杯型の大ペロ(一部欠損)を拾います。この杯型の大ペロは当時の子供たちの間では1番人気の形だったんでしょうか。拾うのはこれで4つ目です。

そして本年度のラスト瓶を見つけます。コロンと現れた綺麗なグリーンの瓶、最初見つけた瞬間は憧れの瓶の一つ「ヘチマコロン瓶」かと思いましたが、どうも平べったい。エンボスを確認すると…カタカナで「ナゴン」。

ナゴン?

よく分かりませんが、このカタカナ3文字の間抜けな並びといい、丸っこいフォントといい、見た瞬間気に入ったので大喜びで拾いました。

ここで終了。いつもは家に帰る前に近くの川で瓶を軽く洗いますが、寒いので直帰します。

以下、本日の成果とエンボスがある瓶についての素性調査です。

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  • ほしとり目薬

薄いブルーの両口式点眼瓶。表面には「眼病良薬 ほしとり目薬」、裏面には「柳生令徳堂」とエンボスがあります。

f:id:cetriolo:20220511162141j:image(表面)f:id:cetriolo:20220511164402j:image(裏面)

ネットで検索するとコルク栓の古いタイプもあったので、戦前から戦後にかけてそこそこメジャーな目薬だったようです。丸みを帯びたフォントとゆめかわな商品名で、これはもう目薬界のキキララと言っても良いでしょう。ただ、残念ながら柳生令徳堂はヒットせず、今はなくなってしまったようです。寂しい。

  • ロート アイウォーター

言わずと知れたロート目薬。両口式点眼瓶になったのは1931(昭和6)年からだそうです。1931年といえばあの満州事変があった年。今回拾ったものは欠損有りですが、ロート目薬は持っていないので完品をゲットするまでこれで我慢。ちなみに同じロートの両口式点眼瓶で「アイローション」のエンボスのものもあるようです。どう違うんでしょうか。

  • 納言の瓶

ほしとり目薬と並んで今回のお気に入り。表面には「納言」、裏面にもしつこく「ナゴン」のエンボスがあります。

f:id:cetriolo:20220511170554j:image(レトロ瓶に珍しい胡瓜のような明るいグリーンのカラー)

納言は白髪染のようで、後期の瓶は茶色の今風な瓶にマイナーチェンジしています。また、この形状の納言瓶もカラーバリエーションがあり、他の方のブログでは薄緑のものが紹介されていました。ただ、納言の販売元や販売時期などは結局不明。

お気に入り瓶ゲットで、今年最後の締め括りにふさわしい瓶拾いとなりました。

雪が溶けるまでは瓶拾いはお休みし、ヒスイ拾いを楽しみます。1年間楽しみを与えてくれたボトルディギング。また春になるまで…

ハケに、ありがとう

ムカデに、さようなら

そして、全てのレトロ瓶に

おめでとう