雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

憧れの糸巻ヒスイ

ヒスイのシーズンは波が高くなる(=大きな石が打ち上がる確率が高くなる)冬だと言われています。しかし、それに伴い当然危険も高くなりますし、冬の日本海は晴れる日も多くありません。

そんな中、今週末は珍しく穏やかな晴れ。という事で、ヒスイ拾いにやってきました。

考える事は皆同じなのか、かなり多くのヒスイハンターの方が既に海岸を散策しております。ただ、海岸は小豆よりも小さな砂利で埋め尽くされ、大きなヒスイは望めそうにありません。

往復するも、収穫はゼロ。

そんな時、すれ違った年配の男性から「ヒスイあったか?」と聞かれました。

「いいえ、全く…」と答えると、「初心者はヒスイが分からないだろ?本物のヒスイ見せてやるよ」とポケットやカバンからみかんサイズのヒスイを10個程次から次へと手慣れた様子で取り出し、ヒスイを拾った日のエピソードを交えながら、立板に水の如く石の紹介を始めました。

30分ほど話を聞きつつ、こんな大きなヒスイが落ちてることもあるのか…と見ていると、その方は最後に

「でもこれ全部30年以上前に拾ったやつだよ。今は海にテトラやコンクリ入っててデカい石は打ち上がらないし、護岸工事して拾える場所も殆どなくなったから、残念だけどこんなのはもう拾えないよ。」

と言って去っていかれました。

…え?

気を取り直して別の海岸へ。

ここでも砂利浜ですが、波打ち際を丁寧に見て歩き、小さなヒスイとヒスイ混じりの石を6つ拾いました。

f:id:cetriolo:20220430205642j:image(6g〜10gの小さなヒスイ、ただし後ろの灰色は含まれるヒスイの割合が低そう)

手前の2つは、通称「糸巻ヒスイ(石墨が黒い糸の様に見える事から)」と呼ばれるタイプのヒスイ。コメダ珈琲店で出てくる豆菓子と同じくらいのサイズですが、糸巻ヒスイは「いつか拾ってみたい」と思っていた憧れのヒスイの一つ。上品な淡い青みのあるグリーンに黒い糸が巻かれた様なルックスで、色々あるヒスイのタイプの中でも、何故かこれが特に好きなのです。ですから小さくともこれは嬉しい。欲を言えば、もっと大きな糸巻ヒスイを拾いたいものです。

その後は、気分転換に今まであまり行ったことのないラベンダービーチへ。

夕方で周りがオレンジ色に染まり始めた中、小さいながらも白地にネオングリーンの斑のあるヒスイを見つける事が出来ました。

f:id:cetriolo:20220430211124j:image(写真だと大きく見えるが、5gの小さな石)

暗くなってきたので、ここでタイムアップ。

以前に比べてヒスイはかなり見分けられるようになったように思いますが、ハンターさん達のSNSに上がっている写真のヒスイと比べると、明らかに自分の拾っている石のサイズが小さいことに気付きました。これは海岸の状態も当然関係ありますが、ウェーダーを持っていないため捜索範囲が狭い(波の来る場所は探せない)ことも影響しているように思います。

やっぱり、今後もヒスイ拾いを続けるならウェーダー(胴長)が必要かも知れない…そんな風に感じたのでした。