雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

雪ちゃんの便り

8月11日は山の日。いつもの自分なら石拾いか瓶拾いに行こうと考えるのですが、今年は記録的な猛暑日が続いていることもあり、とにかく涼しいところに行きたいという事で、以前ブラタモリで見た富山県にある立山の室堂に行く事にしました。

いつも通り、特に下調べもせず思い付きで出発し、朝9時頃に立山駅に到着。

皆考える事は一緒なのか、涼を求めた人々で既に駅付近の駐車場は満車。数キロ離れた場所に設置された臨時駐車場に案内され、そこからシャトルバスで駅まで行く事になりました。ありがたい事に、このシャトルバスは数分置きに運行してくれたので、時間的なロスも少なく済みました。

f:id:cetriolo:20230824203649j:image(そこまで標高は高くないので、駅周辺は普通に暑い)

駅には今から剣岳に登る人でしょうか、ガチガチの登山装備の方が多く見られました。駅の売店でもモンベルの商品が売られていたりと、同じ山でも富士山周辺とは客層も雰囲気も異なり、物見遊山で来た自分は何だかソワソワしてしまいます。

さて、室堂まではマイカーで乗り入れ出来ない為、多くの方が立山駅で室堂までの往復チケット(立山駅〜美女平まではケーブルカー、美女平〜室堂まではバス)を購入します。自分も早速チケットを購入し、10分程度待ってからケーブルカーに乗りました。

この日は祝日&お盆休みシーズンとあって、ケーブルカーは激混み。まるで通勤時間帯の田園都市線を彷彿とさせる乗車率ではありましたが、何とか7分で無事に美女平に到着。

そこからは窓の大きなバスに乗り、景色の変化を楽しみながら室堂に向かいます。

f:id:cetriolo:20230824211425j:image(窓ガラスが汚れもなくめちゃくちゃ綺麗)

途中、バスは称名滝や杉の巨木など観光名所の前では徐行運転してくれます。また車内ではライチョウ高山植物の解説動画が流れ、長時間のバスでも飽きない工夫がされていました。

50分程度バスに揺られ、11時前に室堂に到着。山には一部雪も残っており、スイスの様な景色に、ここが富山県である事を忘れてしまいそうです。

気温は立山駅とは大分異なり、心地の良い涼しさ。正確な温度は分かりませんが、この日の自分は半袖リネンシャツの上に長袖のゴアテックスジャケットという服装で涼しく感じていたので、半袖や普通の長袖だと寒いかも知れません。

早速、色々歩きます。

f:id:cetriolo:20230824213850j:image(カルデラ湖のみくりが池)

f:id:cetriolo:20230824213905j:image(8月でもニッコウキスゲが咲いていた)

途中、国内で最も標高の高い場所にある温泉みくりが池温泉があります。折角なので入っていきました。

f:id:cetriolo:20230824214845j:image(ここも「日本秘湯を守る会」の会員温泉)

脱衣所はそこそこ混んでいましたが、回転率が早いため、浴室自体は余裕がありました。温泉はやや青みがかった乳白色で、硫黄の香りが強いとても良い泉質です。

さて、散策を続けます。

f:id:cetriolo:20230824215835j:image(まさにアルプスといった景色)

f:id:cetriolo:20230824220401j:image(山崎圏谷(カール)の碑。きっと多くの方が山崎カールと聞いてお菓子の「明治カール」を思い浮かべるはず…!)

4時間ほど色々散策し、山がガスってきたので帰ることにしましたが、立山がこんなに美しい場所だとは初めて知りました。今まで立山というと日本海味噌(※)」のイメージしか無かった自分が恥ずかしくなります。

北陸地方、東海地方の一部及び東京では、「日本海味噌」という超ノスタルジックなCMが流れており、このCMで「剣立山黒部は◯よ〜、雪ちゃんの便りは麹味噌〜」という歌詞の唄が使用されています(◯の部分等は「枕草子」の様に季節ごとに変わるため、このCMで季節の変化を感じるとか何とか)。しかもこのCMソングの作曲者は難波のモーツァルトことキダタロー。なお、この唄に出てくる「雪ちゃん」とは何者なのかよく分かりませんが、日本海味噌のHPに掲載された歌詞を見ると、季節の変わり目に律儀に日本海味噌を送ってくる様なので、味噌の受取主は現在、雪ちゃんとは離れて遠方で暮らしているのでしょう。

雪ちゃんのCMソング:日本海味噌醤油株式会社www.nihonkaimiso.co.jp

春は雪の大谷、秋は紅葉と、立山は季節毎に異なる魅力があるそうなので、また別のシーズンにも訪れてみたいと思います。