鉱物標本好きならご存じの方が殆どかと思いますが、JR名古屋高島屋に入っている東急ハンズの10階には「地球研究室」という理化学系の道具や玩具を取り揃えているコーナーがあります。
中でも鉱物標本の品揃えは目を見張るものがあり、通常はミネラルショーでしか購入出来ないような標本が、非常にお求めやすい価格で販売されています。
そして、毎年4月ごろに開催される「ミネラルロマンス」というイベントでは、アメリカのツーソンミネラルショーで東急ハンズのスタッフさんが買い付けた新着標本が沢山並ぶとあって、全国各地から鉱物好きの方々がやってきます。
しかし、JR名古屋高島屋から今年で東急ハンズが撤退することになり、このミネラルロマンスは今年が最後の開催ということになったそうです。残念ながら、移転しての営業も現時点では未定。
この地球研究室さんには鉱物標本だけでなく、鉱物標本を飾るアクリルスタンドの購入でもお世話になっていたので、なくなるのは寂しい限りですが、最後のミネラルロマンスに参加して来ました。
開催初日から大分過ぎてからの参加でしたので、目玉標本は軒並み売れてしまっていましたが、それでもいくつか標本を購入してきましたので、ここで紹介していきます。
- 閃亜鉛鉱&方解石(アメリカ)

(照りがすごい)
ニューヨークの方解石と共生した閃亜鉛鉱です。この産地の閃亜鉛鉱は小さめですが透明感のある黄色で、大変照りと輝きがあります。ただ、その美しさと希少性から、他の産地の閃亜鉛鉱よりは価格はお高めです。確か2年前くらいのミネラルロマンスでも入荷していましたが、迷っている間になくなってしまったので、今回意を決してそこそこサイズのある標本を購入。あまりミネラルロマンス以外では見かけない標本です。
- 白鉛鉱入り方解石(アメリカ)

こちらもアメリカの石。魚眼石のようにギラギラで照りのある方解石の中に白鉛鉱のインクルージョンが見られます。こちらもミネラルロマンス以外ではあまり見かけません。この標本ともう一つの標本(少し大きめ)で迷っていたのですが、一瞬売り場を離れたらそちらは売れてしまっていました。迷っていた標本を他の人が購入すると、その標本の方が良かったように感じてしまうから不思議です。
- ユークレース(ブラジル)

こちらはミネラルロマンスの会場で同時出店をされていたお店で購入。最近はジンバブエ産の紺色のユークレースを多く見かけますが、ユークレースが出回り始めた頃はこのブラジル産のユークレースが殆どでした。中でも中央にブルーのラインが入ったものが人気で、故堀秀道氏の「楽しい鉱物図鑑②」に掲載されていた水晶の上にちょこんと乗ったブルーラインのユークレースの標本に、当時学生だった自分は憧れたものです。しかし、その当時でも既にユークレースは高額(ただし、当時は今ほど鉱物標本は全体的に高額ではありませんでしたので、あくまで当時の価格帯の中では)でしたので、このブルーラインがはっきり出たユークレースは手が出ませんでした。そんな学生時代の思い出から、懐かしくなって購入。
ミネラルロマンスは5月上旬で終わりますが、地球研究室自体は年末まで営業するようです。まだ行かれたことのない方は、是非機会があれば覗いてみて下さい。
仕方のないことではありますが、最近のミネラルショーは売れ筋の綺麗な標本を並べているお店が増えて、並んでいる標本がどのお店も似通っていたり、良質だけれど極めて高額な標本(いわゆるファインミネラル)で庶民には手が出なかったりと、以前よりも回っていてワクワクする事が減りました。そんな中、知的好奇心を刺激するような鉱物標本を選び、適正な価格で販売してくれた地球研究室は、多くの方に鉱物や化石と気軽に触れ合う機会を提供してくれたことでしょう。
またどこかで営業してくれたら…と思うばかりです。