雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

サルディニア島嵐警報!

最近仕事が忙し過ぎて、バラエティ番組はおろか、ニュース番組を見る元気さえなくなってきました。

そんな荒んだ自分を癒してくれる番組がAmazonプライムに登場。それは…

世界の車窓から

変な刺激がなく、疲れた時にボーっとかけていられる良番組。子供の頃はあのBGMが流れると(つまんね…)と反射的にチャンネルを変えてしまっていましたが、加齢とは恐ろしいものです。

そんな「世界の車窓から」に影響を受け、突如海外に行きたい気分になってきました。

とは言え、未だコロナ前の様に海外に行ける雰囲気ではなく、また行ける様な長期休みも取れません。

しかし、そんな中志摩地中海村というイタリアやスペインの地中海沿岸部の街並みを模した観光施設がある事を知りました。メインは宿泊なのですが、入村料(700円)を払えば日帰りで村内を観光する事もできます。

という事で、早速伊勢志摩へ。

完全にノープランで来たため、道中で地中海村の他に何か周辺にあるか調べると、英虞湾では真珠養殖が盛んで、真珠をアコヤ貝から取り出す体験が出来る施設が複数あるとの事。面白そうなので当日でも参加可能か電話で尋ねたところ、空きのある時間帯があったため、予約して向かいました。

f:id:cetriolo:20230321022844j:image(美しい英虞湾)

今回お邪魔したのは「真珠の里」。地元の真珠養殖業者さんが運営しているようです。

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到着すると、まずどうやって真珠を作るのかについての動画を視聴。恥ずかしながら、つい数時間前まで真珠について興味もなければ出来方も知らなかったのですが、想像を超えるシステマチックな養殖方法に大変驚きました。

因みにこの動画、社長さんと思われる方の訛りのある説明と社員さん達の出演によるもので、ちょっと夢グループのCMを彷彿とさせる素人感のある動画なのですが、それが逆に味があり「旅行に来た」という気分にさせてくれます。

視聴後は、真珠を作るアコヤ貝の養殖場を実際に見学し、網に入った沢山のアコヤ貝の中から好きなアコヤ貝を1つ選んで真珠を取り出します。

アコヤ貝は大きさも色もバラバラで、スタッフさん曰く「貝を開けてみないと色も大きさも分からない」との事。

そこで自分は、敢えて1番小さな貝を選ぶ事にしました。

貝を開けるのはスタッフさんが行い、体験者は貝の身の中から指で真珠を探して取り出す作業を行います。

ブニブニした貝の身を押して異物を探すと、BB弾が入っている様な感触が指先にありました。

f:id:cetriolo:20230321015211j:image(取り出した真珠)

なお、自分の取り出した真珠は球体ではなく雫型でした。スタッフさん曰く「ドロップ型」と呼ばれるもので、比較的珍しい形状との事。

f:id:cetriolo:20230321021703j:image(球体ではなかった事を残念に思ったが、今は逆にこの自然さが気に入っている)

真珠の虹色の艶は、炭酸カルシウム(あられ石)とコンキリオンが幾重にも層状になった事で生じる光の干渉によるもので、この虹色現象はロッキー山脈で産出される虹色のアンモナイト等にも見られます。

取り出した真珠の滑りを塩水で取った後、2種類の布で順番に磨き、大きさを測ります。

f:id:cetriolo:20230321020431j:image(布の違いは不明)
f:id:cetriolo:20230321020434j:image(やや大きめのよう)

この後アクセサリー等に加工したい人は制作作業に移るそうですが、自分はこのまま持ち帰りを希望。

…すると最後に自分の選んだアコヤ貝の貝柱が皿に乗ってやってきました。地元のみで消費される珍味らしく、帆立の貝柱よりもさっぱりした味わいです。

f:id:cetriolo:20230321020854j:image(さっきまで手元の真珠を体内に抱えていたアコヤ貝…)

貝柱以外の部分は人の食用には苦味があって不向きの為、外のクロダイ達に餌としてあげることが出来ます。

1時間程度の滞在でしたが、コストパフォーマンスの良い観光施設で、かなり楽しめました。

さて、アコヤ貝の一生に複雑な感情を抱きつつ、志摩地中海村に向かいます。

入村すると、リッチそうなマダムがこれまたリッチそうな犬を連れています。またインスタグラマー的な学生っぽい人もちらほら。

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f:id:cetriolo:20230322210022j:image(絵本のような街並み)

場違いな場所に来てしまったか…と一瞬思いましたが、カメラ趣味と思われるソロの中年男性も少なからずいて一安心。

地中海村はアンダルシアゾーンやカスティーリャゾーン等、スペインやイタリアのリゾート地をイメージした5つのエリアに分かれていますが、それぞれのエリアはそう広くなく、また隣接している為、瞬時にイタリアからスペインに移動出来ます。

f:id:cetriolo:20230321204359j:image(イタリアのサルジニアゾーン。ここがジョジョ5部のリゾットvsドッピオ戦の舞台か〜、と感慨深い気持ちで歩いていると…)

f:id:cetriolo:20230321210634j:image(…速攻でスペインのアンダルシアゾーンに到着してしまった)

ちょっと気を抜くと杉林や養殖用のネット等、世界観にそぐわないアイテムが目に入りますが、そこはご愛嬌。三重県?ここは地中海ですが何か?」と言わんばかりに、かなり頑張っているのが伝わります。「世界の車窓から」に影響された自分は大いに海外気分を満喫出来ました。

ただ、今回の旅で1番インパクトに残ったのは真珠の作り方で、帰宅後は何時間もYouTubeで真珠養殖の動画を見てしまったのでした。