雑多拾いもん

捨てる神あれば拾う神あり… 「博多通りもん」ならぬ、雑多な「拾いもん」について備忘録がてら綴っています。

ヒスイの見分け方④〜ロディン岩編〜

ヒスイとキツネ石や曹長岩と見分けが付くようになったヒスイハンターを最後まで悩ませるのが、「ロディン岩」です。

キツネ石や曹長岩は比重が小さいのでヒスイと区別が付きますが、ロディン岩はヒスイと比重が大して変わらない(3.2前後)ので、比重では判別が難しいのです。さらにロディン岩とヒスイは連続することもあるので、一つの石の一部がヒスイ、一部がロディン岩ということもあります。

そのためか、長らくヒスイ拾いを続けられているハンターさんのブログやYouTube動画でも、稀にロディン岩がヒスイと紹介されていることもあり、自分のような初心者はますます混乱してしまいました。

では、ロディン岩とヒスイはどのような違いがあるか、写真とともに解説していきたいと思います。

ロディン岩

ロディン岩は蛇紋岩に伴って形成されるカルシウムを含む珪酸塩鉱物からなる岩石で、ヒスイ輝石岩と同様に変成岩の一種です。ヒスイと出来る環境が似ていますが、ヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6なのでカルシウムを含みません。その違いなのかは分かりませんが、ロディン岩の方はチョーク(炭酸カルシウム)や紙粘土で作ったような粉っぽい雰囲気があります。

f:id:cetriolo:20220526155346j:image(全体的に丸みを帯びた歪な形)

  • ロディン岩の緑の入り方

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上の写真のロディン岩は、典型的なロディン岩の緑の入り方をしています。ロディン岩には明るい緑の毛糸屑を紙粘土に混ぜたような流れる感じの緑色がよく見られるのに対し、ヒスイはどちらかというと、布に水性絵の具をちょこんと滲ませたような緑の入り方をしていることが多いように思います。

f:id:cetriolo:20220526160916j:image(左がロディン岩、右がヒスイ。ロディン岩の緑色の方が流れる様に入っており表面的)

  • ロディン岩の緑色

ロディン岩の緑色はキャベツやずんだ餅のような明るい緑色や黄緑色です。一方、ヒスイの緑色は海の様な少しだけ青みを含んだ緑色です。

f:id:cetriolo:20220526192158j:image(左がロディン岩、右がヒスイ。似た色味の石を選んだが、それでもロディン岩の方が黄色っぽい緑色)

  • ロディン岩の透過

ロディン岩は殆どの場合、ペンライトを当ててもあまり透過せず、透明感がありません。

f:id:cetriolo:20220526161844j:image(左がロディン岩、右がヒスイ。一見色や雰囲気が似ているけれど、アップで見ると…)

f:id:cetriolo:20220526161940j:image(左のロディン岩は透明感がないが、右のヒスイは表面が薄い求肥に包まれたようなふんわりした透明感がある)

  • 結晶

ロディン岩は紙粘土のような質感なので、表面にキラキラした結晶は殆ど見られません。

f:id:cetriolo:20220526162712j:image(ヒスイの表面にはキラキラした結晶がある)

ただ、ロディン岩にも非常に美しいものがあり、それらは正直なところ、ヒスイ輝石の含有量が低いヒスイ輝石岩よりも断然綺麗です。ついついヒスイばかりに目が向いてしまいますが、決してロディン岩はヒスイのパチモンではなく、ロディン岩はロディン岩で結構見ていて楽しい石だと思います。

ヒスイにも沢山の例外があるので、結局総合的に判断することになるのですが、ヒスイと他の石との違いは、

  1. カクカクとした形
  2. 薄い求肥で包まれたかのような透明感のある質感
  3. キラキラとした結晶
  4. 表面的でなく、内側から滲むような色合い
  5. しっとりとした手触り

ではないでしょうか。もっとも1番については、宮崎海岸などで見つかるヒスイは流れ着くまでに長い年月がかかるため、他の石とのぶつかり合いが多く生じたことにより丸くなることもありますし、ヒスイ輝石の含有量が低い箇所がある場合にはそこが削られて丸くなることもあります。個人的に、2番が最もヒスイとそれ以外の岩石との違いであり、ヒスイの品や美しさに繋がっているのではないかと感じています。

ということで、長らく語ってしまいましたが、この記事がヒスイ拾いで悩まれている方のお役に少しでも立てられたのなら幸いです。

ヒスイの見分け方③〜曹長岩とクリソプレーズ編〜

今回の記事ではキツネ石より見分けが付きにくい、曹長クリソプレーズについてお話していきます。

曹長

曹長岩は曹長石を主とする変成岩で、この曹長石の化学組成はNaAlSi3O8と非常にヒスイ輝石に似ています。しかもこれらは連続するため、一つの石に曹長石とヒスイ輝石が混ざったもの(所謂混じり)が沢山あります。

では、早速曹長岩とヒスイの違いを見ていきたいと思います。

f:id:cetriolo:20220526164653j:image(左が曹長岩、右がヒスイ)

上の写真、どちらも糸巻模様があり、糸巻ヒスイに見えます。また、写真では分かりませんが、どちらも細かいラメのようなキラキラもあります。しかし、アップにして比べると…

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左の曹長岩は右のヒスイに比べて、求肥に包まれたような透明感がなく、より岩石っぽい雰囲気があります。これは主たる造岩鉱物の曹長石が風化すると白濁することが原因かと推測します。

f:id:cetriolo:20220526171952j:image(曹長岩の表面のアップ)

曹長岩もヒスイも白いのですが、全体的に曹長岩の白色の方が、黄色っぽい感じなのに対して、ヒスイは青っぽい感じです。例えるなら、曹長岩の白色は蛍光灯の昼白色で、ヒスイの白色は蛍光灯の昼光色というようなイメージです。この違いも、やはり主たる造岩鉱物の曹長石とヒスイ輝石における結晶の色の僅かな違いによるものではないかと考えます。

ただ、曹長岩は比重が2.6前後のため、比重を測れば判別可能という点で、次回紹介するロディン岩と比べると、判別は容易かと思います。

続いて、ヒスイと間違えやすいクリソプレーズについてお話します。

クリソプレーズ

クリソプレーズは鉱物名ではなく宝石名で、鉱物的には微量のニッケルを含んだ繊維状の石英ということになります。

石英ですからこちらも比重を測れば一発なのですが(石英の比重は2.7)、とりあえず肉眼での違いを見ていきます。

  • クリソプレーズの見た目

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上の写真のクリソプレーズは、色と透明感が高品質のヒスイによく似ています。

しかし、これだけ透明感のある高品質なヒスイであるならば、ヒスイ輝石の含有量が極めて多いために表面は結晶でキラキラと輝く筈ですが、それが一切見当たりません。

また、石英は劈開がないため、割れ方も貝殻状断口と言われるガラスっぽい割れ方をしており、カクカクしたヒスイとは雰囲気が異なります。

  • 透過

石英全体に言える事ですが、光を当てるとクリソプレーズはピカッと全体が電球のように光ります。

f:id:cetriolo:20220527081304j:image(クリソプレーズの透過)

一方でヒスイの透過はふんわりと間接照明のように光る感じです。

f:id:cetriolo:20220527081251j:image(ヒスイの透過)

それでは次回、最もヒスイと見分けが付きにくい「ロディン岩」についてお話していきます。

※次の記事はこちら↓

cetriolo.hatenablog.com

ヒスイの見分け方②〜キツネ石編〜

ヒスイ拾いに興味を持って調べると、必ず「キツネ石」という言葉が出てきます。

このキツネ石は、特定の鉱物や岩石を示すものではなく(とは言っても、その多くはニッケル含有珪質変成岩)、あくまでヒスイ拾いをされる方の間で呼ばれる俗称です。

これをあえて定義付けるなら「拾った時(=濡れている時)には緑色の美しいヒスイのようだが、乾くとまるでキツネに化かされたように普通の地味な石ころに変わってしまう石」というところでしょうか(この定義で言えば、ネフライトやロディン岩は乾いても地味な石ころに変化する訳ではないので、このブログではキツネ石に含めません)

ヒスイ拾いを始めた方、特にヒスイ=緑色のイメージの強い方は間違えて拾ってしまうことが多いと思います。

実際、自分もヒスイ拾い当初はキツネ石を拾っていましたし、乾いてからも「これはヒスイかも知れない」と思っていたこともありました。

そこで、ヒスイと間違えやすいキツネ石をあえて紹介していきたいと思います。

キツネ石

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上の写真の石は全て濡れている状態です。①は黒〜灰色地に鮮やかな緑のスポット、②は鮮やかな緑に白いサシ、③はちょっと透明感がある緑、④は明るい緑、どれもヒスイ拾い初心者であればヒスイに見えてもおかしくないと思います。

ちなみに自分は拾い始めた頃に、ヒスイの勉強の為にフォッサマグナミュージアムに行き、その後は逆にキツネ石を沢山拾ってしまうという状態に陥りました。なぜなら、キツネ石は上質のヒスイに見た目が似ており、ミュージアムには海岸では滅多に拾えないような上質のヒスイが並んでいる為、「ヒスイ=鮮やかな緑」のイメージが刷り込まれてしまったからです。

さて、上のキツネ石は乾くと下記の写真のように変化します。

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今でこそヒスイとは似ても似つかないと分かるのですが、実は乾いても多少緑色の部分が残るので、初心者の頃はこの状態でも「ヒスイかも知れない」と思っていたのです。

では、どこがヒスイではないのか、過去の自分に向けて一つ一つ説明していきます。

①の石は黒ヒスイ(よく金山谷系と言われるもの)に似ていますが、そもそもヒスイはここまで表面はガサガサではありません。ガサガサしたヒスイもありますが、粉が吹いたようなガサガサ感はキツネ石です。形も丸すぎるし、緑色も表面的でヒスイの緑とは異なります。

②白と緑の組み合わせのヒスイはありますが、白が肉の脂身のようにその部分のみ凹んだり分離しているような感じのものはヒスイにはあまり見られません。そしてこの石、飴細工のように筋っぽいガサガサがあります。ヒスイは飴細工のような筋っぽさはありません。

③形も触った雰囲気もヒスイっぽさがありますが、乾いてここまで色が変化するのはキツネ石。ヒスイは多少乾くと色が薄くはなりますが、こんな「ねるねるねるね」のような色の変化はしません。

④緑色が嘘くさく、まるで木材に水性絵の具で緑色を塗ったように表面的です。ヒスイは非常に薄い求肥のような膜があるような感じで、色が表面的ではありません。

比重を測ればキツネ石は比重2.6前後なので一発で判別可能ですが、持ち帰る前に選別出来る様になるに越したことはありません。

次回は、キツネ石よりもヒスイとの区別が付きにくい「曹長岩」と「クリソプレーズ」についてお話します。

ヒスイの見分け方①〜ヒスイの定義〜

ヒスイ拾いを初めて約1年半、ようやくヒスイを見分けられるようになってきました。

そこで、拾い始めた頃の感覚を忘れないうちに、ヒスイの見分け方について自分なりにまとめて行きたいと思います。

  • ヒスイとは

はじめに、今更ではありますが、このブログにおける「ヒスイ」の定義について言及しておきます。

まず、糸魚川市周辺の海岸で拾えるヒスイは鉱物としてのヒスイ輝石ではなく岩石のヒスイ輝石岩であると言われます。フォッサマグナミュージアムで鑑定の際に頂けるキャプションにも、ヒスイ輝石岩と書いてあります。

そこで、この鉱物と岩石の関係を整理してからヒスイの話に入ります。

鉱物とは「地質学的作用により形成される、天然に産する一定の化学組成を有した無機質結晶質物質」と言われるように、どの部分を抽出しても化学組成が同じものです。

一方で岩石とは「鉱物と天然ガラスの両方または一方により構成された集合体」と言われるように、1つの石ころの中に様々な鉱物が入り込んでいて、化学組成は一定ではありません。

自分はこの鉱物と岩石の関係が分かりにくかったので、カレーの具材とカレーライスに置き換えて考えています。

鉱物はどこをとっても組成が同じなので、カレーライスでいうところの

  • 人参
  • じゃがいも
  • 玉ねぎ
  • お肉
  • カレー粉

といった具材ということになります。人参はどこの部分を食べても人参なので、当然人参の味しかしません。

一方、それらを使って出来た料理がカレーライスです。カレーライスは人参やじゃがいも等の具材が合わさり、1つの料理として成立していますが、組成は当然均一ではありません。スプーンで掬った一口にも人参が入っていたり、肉が入っていたりとバラバラです。ですから、カレーライスは岩石ということになります。

また、具材の量や種類が変わるとカレーライスの味や見た目も変わりますし、ドライカレーや無水カレーのように調理方法による違いもあります。これら違いは岩石の種類の違いと同じようなものと理解しています。

…大分話は逸れましたが、糸魚川のヒスイ輝石は地下での熱や圧力によって曹長岩や他の変成岩を化学変化させることで出来る(最近では熱水による生成説もあり)と言われているため、ちょっとした環境の違い(変成作用のムラ)により、周辺の曹長岩や蛇紋岩といった岩石と多かれ少なかれ混ざり合った状態で産出されます。

そのため、糸魚川の川や海で見つかる石は、鉱物のヒスイ輝石100%であるということは殆どなく、これが糸魚川で見つかるヒスイは「岩石」と言われる理由かと思います。

さらに石によってもヒスイ輝石の含有量にはかなり差があり、9割方ヒスイ輝石と言えそうな石もあれば、半分以上は曹長石だろうというような石もあります。

これらをどこからヒスイと呼ぶか、この辺りはヒスイをコレクションされる方の判断によりけりだと思いますが、自分は下記の条件を満たしたもの(一部例外あり)をこのブログで「ヒスイ」と呼んでいます。

  • 比重が3.0以上
  • ヒスイ独特の結晶が確認できる

大抵、上記の条件を満たした石は海岸でも他の石と違って目立ちますし、フォッサマグナミュージアムで鑑定をして頂いた場合にはヒスイ輝石岩と判定されるレベルの石かと思います。逆にそれより条件を緩くすると、もはやヒスイ輝石としての特徴は失われたレベルの石になってきます。

f:id:cetriolo:20220526113021j:image(丁度このレベルが境界線)

とは言っても、世間一般の方の想像するヒスイというのは、こちらが思う以上に遥かにハイグレードなものなので、最終的には他人からの評価ではなく自分が気に入ったかどうかが大事だと思います。

f:id:cetriolo:20221020122534j:image(世間一般の方が、糸魚川の海で拾えるだろうとイメージするヒスイ)

なお、ヒスイを探す際には「カクカクした白い石を探すと良い」と一般的に言われます。ヒスイがカクカクしているのは、鉱物のヒスイ輝石が非常に緻密な結晶をなしているため固くて割れにくく、海で他の石と擦れあってもなかなか割れたり削られたりしないことが理由かと思われます。また、この白さは鉱物のヒスイ輝石が透明感のある白い結晶であることに由来するのだと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、この後からヒスイと間違えやすい石を紹介していきたいと思います。

※次の記事はこちら↓

cetriolo.hatenablog.com

本年度お気に入りNo.1ヒスイ(暫定)を拾う

ここ最近は忙しく、なかなか休みが取れませんでしたが、ようやく久しぶりの休み。天気も良さそうなので、ここはやはりヒスイ拾いです。

世間は既にゴールデンウィークの真ん中ですので道も超絶に混んでいましたが、更にフクラギ釣りのシーズンと重なり、海岸には沢山の釣り人&ヒスイハンターがいらっしゃいます。

本日の波は0.2m。凪ではないので波の奥までは見えませんが、石も出ていて多少の石の動きがあるという、個人的に1番波打ち際を歩いていて楽しい状態。

f:id:cetriolo:20220507144154j:image

最近マイブームの須沢海岸西側を歩きます。

1時間くらい歩いた所で、ようやく波打ち際にヒスイ発見!大好きな糸巻ヒスイで、灰色地に所々に緑色が入っています。

f:id:cetriolo:20220505233217j:image(35g)

いつもなら気に入ったヒスイを見つけると、途端に満足感からやる気が無くなりその後はテキトーに見てしまうルートに入りますすが、今日は別。ここ最近の多忙さによるストレスをヒスイ拾いへの執念に昇華すべく、一心不乱にヒスイを探します。

釣り人の邪魔にならないよう気をつけながら最初スタートした場所に戻り、今度は反対側へと進むと、波打ち際より陸側の濡れた石の下から、石英よりもやや白そうな石が見えました。

大した期待もせずに上の石を退かすと…

f:id:cetriolo:20220511204508j:image(18g)

!?

今までこういう白地に蛍光グリーンのザ・ヒスイみたいなタイプは一度も拾ったことがありません(フォッサマグナミュージアムの展示で見たのみ)。寧ろ拾い始めの頃、散々この手のクリソプレーズに騙されてきました。だからこそ猜疑の目を向けつつ、取り敢えずキープ。

f:id:cetriolo:20220506000552j:image(このわざとらしい緑色には何度も騙されている)

その後、親不知海岸に浮気をしましたが何も拾えなかったので、再び須沢海岸西側に戻り、今度はヒスイの雰囲気はあるものの結晶が面でギラッとする怪しい石と、ヒスイ疑いの石を2つ拾いました。

f:id:cetriolo:20220505235810j:image(25g、よく味の素に喩えられる細かい結晶はなく、面でギラッと光る怪しい石)

この時点でまだ12時半過ぎ。怪しい石が多いので、ダメ元でフォッサマグナミュージアムへ石ころ鑑定の整理券が残っているか確認しにいくと、何と2枚余っていました!

整理券に記載された時間に鑑定特設会場に向かい、本日拾った石を見てもらいます。

結果は以下の通りになりました。

f:id:cetriolo:20220511205551j:image(家で比重を測ると糸巻は比重3.20、白緑は比重3.29とかなり重かった)

あの蛍光グリーンの石ころも、クリソプレーズではなく無事ヒスイ輝石岩で安心。また、面でギラッっする石も「こういうヒスイもあるよ」とヒスイ輝石岩に分類されました。逆に三角形の白色は曹長石を含む割合が多いという事でヒスイを含む岩石に分類されました。

なお、5月14日から販売予定の石のまち糸魚川カードを、このGWは石ころ鑑定を受けた人に先行配布しているそう。ラッキー!

鑑定後、30種のうちランダムで1枚渡されます(今回は鑑定員さんがカードをシャッフルし、こちらが任意のタイミングでストップをかけた時の1番上のカードが貰えるという流れ)。

ストップ!と言い、スタッフさんが手札からドローしたカードは…

ロディン岩!

f:id:cetriolo:20220506074721j:image(ロディン岩を守備表示で召喚しターンエンド!)

もちろんヒスイのカードが良いに越したことは無いですが、個人的にロディン岩は嬉しい。

ちなみに今後、このカードはフォッサマグナミュージアムの受付やガチャガチャにて販売という形になるようです(詳しくは下記のリンクをご覧ください)。

石のまちコレクション | ジオパークを学ぶ | 糸魚川ユネスコ世界ジオパーク

ヒスイ拾いを始めて1年と2ヶ月、最近はかなり拾えるサイズや質が上がってきたように思います。

今のところ、本年度の心のベストテンNo.1はこの白地に緑ヒスイ。

f:id:cetriolo:20220601090630j:image(乾いてもグリーンがしっかり)

f:id:cetriolo:20220601090627j:image(結晶もギラギラ)

GWは人も多く、こんな終盤では大したものは拾えないだろうと思っていましたが、意外にも結構拾えると感じたヒスイ拾いでありました。

ボトルディギングシーズン到来!

昨年12月を最後に瓶拾いをしていませんでした。というのも、いつもお世話になっているハケの多くが豪雪地帯にあり、雪の下に埋もれてしまっていたからです。

本来ボトルディギングに最適なシーズンとは、虫が減り、草も枯れて瓶が探しやすくなる冬だと思うのですが、雪の降るエリアでは完全にオフシーズン。

しかし、ようやくスーパーハケ周辺のエリアの雪が溶けたという情報を聞いたので、今回は久しぶりの瓶拾いです。

まずはスーパーハケから。流石に何度も来ていますから今回は良いものは見つからず。更にふきのとうを摘みに来ている人が何人もいらっしゃったため、どうにも視線や気配が気になって探すのに集中出来ません。

結局10分程度軽く見て、ノー拾いでフィニッシュです。

…どうしよう。廃村のハケはまだ雪がありそうだし、期待値は低いけれど旧住宅街のハケに行くか…。

という事で、旧住宅街のハケに移動。

相変わらずいつもの見慣れた酒瓶、リポビタンD瓶、佃煮瓶…こちらもパッとしません。手ぶらも癪なので、「みやこ染」の横書きエンボス瓶を拾って帰ることにします。

そろそろ新しいハケ探しが必要だな…と思って入り口に向かう途中、杉の葉の下にガラス瓶のようなものが見えます。

拾い上げると、それは…

f:id:cetriolo:20220506215630j:image(この写真は軽く洗った状態)

…何の瓶だか分からない

10cm程度の小さなグリーンの瓶です。文字のエンボスはありませんが、なかなかお洒落なデザインなのと、瓶口がシアーカットと呼ばれるスパッと切った様な形状で年代が古そうなので拾って帰りました。

本日の結果は以下の通り。

f:id:cetriolo:20220506220351j:image(洗浄済)

  • みやこ染瓶

以前も拾っていますが、その時のみやこ染のエンボスは縦書きでした。こちらは横書きになっているので更に新しい時代のものでしょう。

  • 謎の小さい瓶(ニッキ水?)

調べても良く分かりませんでしたが、1番可能性が高いのはサイズやデザイン的にニッキ水の瓶かと。特にウイスキーニッキと同じように、中央にはシールを貼るための楕円型の窪みがあります。もしニッキ水だとすると、旧住宅街のハケでは「魔太郎のニッキ水」に次いで2本目になります。

久しぶりの瓶拾いとなりましたが、大分スーパーハケも旧住宅街のハケも見慣れたせいかワクワク感もなくなった様に思います。

そろそろ新しいハケ探しが本気で必要になってきたと感じたのでした。

ヒスイ混じり…ってコト!?

週末、どうやら雨にはならなさそうだったので、またもやヒスイ拾いへとやって来ました。

今回も須沢海岸西側からスタート。波は冬と比べて落ち着いており、石も出ていて良い感じです…が、花粉が多過ぎて、今日はあまり長い時間うろうろ出来ない予感がします。

さて、1往復しましたが、目ぼしいものは無かったので一度車に戻って花粉対策をしようと駐車場に向かうと、ご夫婦でヒスイ拾いに来ているという年配のハンターさんから「ヒスイ拾えたか?」と声をかけられました。

いつも通り…というか、いつもこの質問を他のハンターさんから受ける時は1つも拾えていない時ばかりですので、「いいえ」と答えると、「今日は全然駄目だけど、昨日はすごく大きいのが取れたよ。ほら。」と車の中から漬物石サイズの薄灰緑色のヒスイを見せて下さいました。

自分はなかなか大きいサイズを拾ったことはなく(せいぜい200g)、基本的に大きな石は収納場所に困るので、50〜100gくらいで上質なヒスイがベストなのですが、この日は大きな石を見てしまったがために、その迫力や存在感にちょっと良いなぁと思ってしまいました。

「でかつよ」なヒスイが欲しい…!

完全にデカさと迫力への執着により、2往復目では、いつもなら拾わないタイプの石(=ヒスイだと確信が持てない石)を、うっかり2つも拾ってしまいました。

更に小さな三角形の白地にグリーンが滲んだ様なヒスイを波打ち際で見つけ、午前中は計3つの石を拾いました。

f:id:cetriolo:20220606220144j:image(後ろの2つはラベンダーヒスイとグリーンヒスイだったら良いなと思って拾ってしまった500g以上あると思われるデカい石)

さて、いよいよ花粉症がキツくなり、もうヒスイ拾いを続けられる自信がなくなってしまったため、フォッサマグナミュージアムに行き、鑑定と展示を見ることにしました。

午後の鑑定の整理券があっさり取れたので、早速さっきの「でかつよ石」2つを鑑定してもらいます。

結果はやっぱり「ヒスイ輝石岩」ではなく…「ヒスイを含む岩石」でした。

f:id:cetriolo:20220606221059j:image(予想通り)

ヒスイを1つも拾ったことのない頃だったらこの結果でも嬉しかったでしょうが、今は数はそこそこあるので、欲張らずに拾う石を選別しなければいけない段階。また、この結果が出るということはヒスイ輝石の割合はかなり低く、ヒスイとしてのアイデンティティは失われているように思います。

そして、この時ようやく冷静になります。そもそもヒスイの美しさや気品に惹かれて自分のお気に入りとなるようなヒスイを拾いに来ているのに、ヒスイが少しでも含まれているというだけの見た目が普通の石まで拾うのは、それはもはやヒスイというブランド名だけに惹かれているのと同じだと…。ハイブランドのアウトレットショップに行った際に、商品の質やデザインに惚れ込んで購入するのではなく、ブランド名だけに惹かれてリーズナブルだけど微妙なアイテムを買ってしまい、結局あまり使えなくて後悔するパターンと一緒です。

この後海岸に戻り、でかつよ石をリリース。この石はこの石で一応ヒスイ輝石も含んでいるという事なので、ヒスイ拾いに始めて来た方や子供さん達に拾って貰った方が良いでしょう。

f:id:cetriolo:20220606225256j:image(結局この日の成果はこの1つだけになってしまったが、色と形がお気に入り)

そもそも「この石、ヒスイだったら良いなぁ」と祈りながら拾う石は、大抵ヒスイではなかったり、ヒスイが少々含まれているだけの石なので、見た目からはヒスイかどうか分からないレベルの石。もちろんヒスイでなくてもその石が気に入ったのなら、それこそ以前に紹介した本の中の「いい感じの石」(過去の記事はこちら→いい感じの石ころを拾いに - 雑多拾いもん)なので拾うべきですが、そうじゃないならリリースしないと部屋が大変な事になります。

カイジの兵藤会長が「人間祈る様になったら終わりだ」と言っていたのを思い出したのでした。